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TIS、AIOpsや自動化によりシステム運用高度化を支援する「運用高度化コンサルティングサービス」を提供

 TIS株式会社は11日、企業におけるシステム運用の効率化・高度化を支援する「運用高度化コンサルティングサービス」を提供開始した。

 運用高度化コンサルティングサービスでは、従来のシステム運用における、安定稼働・障害対応といった、システムを止めないための支える運用のみにとどまらず、変化へ柔軟に対応できる持続可能な運用を構築し、ビジネス成長に寄与する、価値を創出する運用を実現する。

「運用高度化コンサルティングサービス」の導入メリット

 TISでは、マルチクラウドやハイブリッド環境の混在化などでシステムは複雑さを増しており、こうした状況において人に依存した運用方式は非効率で、運用品質の低下やコストの増大などの問題の温床となっていると説明する。また、システム規模の拡大や長期運用に伴う運用の属人化・ブラックボックス化により、インシデント発生時の迅速な対応が困難になるケースが増えているという。

 こうした課題に対し、AIOpsと呼ばれる手法や自動化ツールの進展は、効率化と高度化を実現する...有効な手段となりつつある。これらの手法を導入する前には、現状の運用プロセスや体制を棚卸しして可視化し、目標を達成するために目指すべき理想の運用モデルを定義して課題を明確化するプロセスが必要だが、これを怠ると十分な効果が得られないと指摘する。さらに、導入後も評価やチューニングを繰り返す継続的改善サイクルを維持できなければ、成果は一時的にとどまり、早々に形骸化してしまうとしている。

 こうした課題に対し、TISは、単なるツール導入支援にとどまらず、AIOpsといった先進技術や方法論を活用し、運用保守に関わる人(人材)、物(技術・運用基盤)、プロセス(業務・運用)を改善し、企業におけるシステム運用の高度化を支援する「運用高度化コンサルティングサービス」を提供する。

 運用高度化コンサルティングサービスは、企業の運用保守業務における現状分析から将来像の設計、実装後の評価と継続的改善サイクルの維持までを一貫して支援する。TISは運用高度化のトレンドを熟知した専門人材を配置し、企業ごとの課題に最適なソリューションを提案する。

 AIOpsなどの先進技術を活用した運用・保守プロセスの自動化により、人的作業ミスを排除し属人化された非効率な運用から脱却する。さらに夜間対応やルーティン業務から運用担当者を解放し、高スキル・クリエイティブ領域へのシフトを実現する。

 サービス化に先立つ保険会社での検証実績では、インシデント管理でAIによるアラートの識別自動化、自動エスカレーションの仕組みを試験導入し、インシデント発生から対応開始までの時間を約14%削減できたという。

 独立系システムインテグレーターであるTISの特性を生かし、特定ベンダーや製品に依存しない中立的な立場から最適解を提供する。第三者視点から現状のシステム運用を客観的に分析し、柔軟かつ持続可能な運用基盤を構築し、ブラックボックス化を解消する。

 また、他社事例をもとに投資に対する費用対効果を試算し、経営層をはじめ決裁者への説得力のある事業計画策定を支援する。サービス導入後も、MTTRやSLIといった定量指標を定期的にモニタリングし、改善サイクルを通じてROIの最大化を継続的にサポートする。

 提供メニューのうち「運用高度化戦略立案サービス」は、システム運用課題の分析やToBe像の検討、PoC計画の策定など、運用高度化実現に向けた課題・テーマを決め、3カ月・6テーマ(1テーマあたり1週間検討・1週間情報整理のサイクル)で現状分析から戦略立案までを実施する。

 「設計・実装スポットコンサル」は、運用設計・実装フェーズで、要件定義から基本設計で定義した内容が適切に設計・実装に反映されているか、確認や相談に対応する。

 「運用改善評価」は、システム運用に高度化要素を取り込んだ後、改善状況を評価し、さらなる改善に向けたアドバイス・提案を実施する。

 サービスの提供価格は、要望や提供内容に応じて個別見積もり。

 TISは、各種ツールベンダーなどとの協力体制を強化し、システム運用に関する先進知識のキャッチアップを行い、2026年度末までに運用高度化コンサルティングサービスの10社以上への導入を目指す。また、2026年3月末までに、低価格かつ短期間で運用高度化コンサルティングサービスを試行可能な、簡易アセスメントメニューの提供を予定する。