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テラデータ、エージェント型AIに必要なデータアクセスを提供する「Teradata MCP Server Community Edition」をリリース

 米Teradata(以下、テラデータ)は現地時間7月29日、AIエージェントとユーザーが企業データに対して大規模かつ信頼性の高いクエリ、分析、管理を行えるよう設計されたフレームワークのオープンソース版「Teradata MCP Server Community Edition」のリリースを発表した。

 Teradata MCP Server Community Editionは、Teradata Vantageプラットフォームを基盤として、AIエージェントに成果創出に必要なコンテキストを提供し、生データとインテリジェントな行動とのギャップを埋める。データ品質、セキュリティ、特徴量ストア管理、検索拡張生成(RAG)の各ツールを組み込むことで、組織は真にコンテキストを認識した信頼性の高いAIエージェントを構築できるとしている。

 テラデータでは、エージェント型AI開発競争においては、単にモデルを高度化するだけでなく、モデルに適切なコンテキストを与えることが鍵となり、企業データやユーザー行動、ドメイン固有のニュアンスを深く理解しなければ、最先端AIエージェントでさえ十分な成果を上げられないと説明する。Teradata MCP Serverは、企業データの豊かなセマンティック情報を最大限活用できる基盤を提供することで、この課題に対応する。AI開発ツール、セキュリティプロンプト、特徴量ストア管理、カスタムツール統合に至るまで、推論・記憶・精密な行動を可能にするモジュール式オープンソース基盤だとしている。

 Teradata MCP Serverは、企業の運用・分析基盤と深く統合されたAIエージェントを構築するための、モジュール式かつ拡張可能なフレームワークを提供する。主な機能のうち、開発者ツールは、データベース管理タスク向けに最適化されたプロンプトとリソースでプラットフォーム管理を効率化する。

 データ品質ツールは、探索的データ分析を加速し、AI駆動のインサイトに必要なデータ整合性を確保する。セキュリティツールは、組み込みのセキュリティプロンプトとワークフローでアクセス権限の問題を解決する。

 特徴量ストアツールは、機械学習およびAIアプリケーション向けの企業特徴量を管理・運用する。RAGツールは、検索拡張生成ユースケース向けのベクトルストアの作成・管理を簡素化する。カスタムツールは、独自のデータやビジネス状況に合わせたカスタムツールを容易に定義・展開できるようにする。

 テラデータでは、MCP ServerとTeradata Vantageが駆動するAIエージェントは、現代企業が求めるコンテキスト理解、拡張性、信頼性を実現すると説明する。MCP Serverを活用することで、企業データを完全に理解した上で動作するエージェントを構築でき、豊富な統合ツールでユースケースを効率的かつコスト効率良く拡張できるとしている。

 この組み合わせにより、組織は孤立したAI実験を超え、実際のビジネス成果を生み出すインテリジェントでコンテキスト認識型エージェントを展開できると説明する。ユースケースとしては、医療分野におけるインテリジェントな請求処理と事前承認エージェントや、AIを活用した請求審査などを挙げている。