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MASSホールディングス、デル・テクノロジーズの「Dell PowerEdge」サーバーを活用してAI能力を強化
クラウドベースと比較してインフラコストを約80%削減
2025年8月26日 08:30
デル・テクノロジーズ株式会社は25日、株式会社MASSホールディングスが「Dell PowerEdge XE」をベースとしたAI基盤を構築したと発表した。これによりMASSホールディングスは、顧客が美容・ウェルネスブランドとシームレスにつながることを目指し、顧客体験を向上させる新しいAI開発環境や、業務効率を高める内部ツールを開発した。
MASSホールディングスは、日本の美容業界におけるディストリビューターで、販売、マーケティング、eロジスティクスサービスのほか、MiCOL、LifeKarte、Altairといったeコマースプラットフォームを提供している。同社はサプライチェーンやデジタルサービスも管理し、顧客が求める製品を迅速に届ける役割を担っており、美容業界でのDXを牽引する企業として認識され、革新的な技術の統合に注力している。
プロフェッショナル向け美容用品のオンラインショッピングサイトや美容サロン向けソリューションを開発するMASSホールディングスはこれまで、従来の消費者向け技術に依存していたため、AI開発に必要なスケーラビリティと効率性が制限されていたが、Dell PowerEdge XEサーバーの採用により、NVIDIA GPUを搭載した高性能な空冷システムを活用し、要求の厳しいAIワークロードに対応している。
MASSホールディングスの最新のインフラは、2025年秋にリリース予定の「ヘアカラーシミュレーションサービス」など、AIベースの顧客ツールの開発を加速している。このツールは、サロンの顧客が個別の画像シミュレーションを通じて、ヘアスタイルやカラーを視覚化できるようにし、没入感のある魅力的な体験を提供する。
オンプレミスの先進技術により、AI生成画像の処理時間を2分から20秒に短縮した。これにより、リアルタイムでのデータ共有が可能となり、サービスの向上が期待される。また、オンプレミス環境への移行により、クラウドベース基盤と比較してコストを約80%削減できた。オンプレミス環境は、データの安全性を確保し、業界での競争力を高める結果になったとしている。
顧客向けアプリケーションに加え、MASSホールディングスはAIを活用して、約1万5000SKUの需要予測を含む主要な業務機能を効率化している。ピーク時には、同社の物流施設で1日あたり最大1万件の注文、商品数にして20万個を処理する際に、新しいAIソリューションが効率を向上させた。手作業への依存を減らすことで、AI技術は精度と生産性の両方を向上させている。
さらに、eコマースのレコメンデーションエンジンやAI駆動型の内部問い合わせシステムなどのアプリケーションを試験運用している。これらの初期成功を基に、MASSホールディングスはAIソリューションを業界全体で採用可能な形に拡大し、美容サロンや業界団体向けにカスタマイズされたソリューションをグローバルに提供する計画だ。