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国内ハイパーコンバージドシステム市場予測、2020年の市場規模は前年比14.3%増の515億2100万円~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は22日、国内ハイパーコンバージドシステム市場予測を発表した。2020年の国内ハイパーコンバージドシステム市場の支出額は前年比14.3%増の515億2100万円、2020年~2025年の年間平均成長率は8.7%で、2025年には783億3000万円に達すると予測している。

 2020年の国内ハイパーコンバージドシステム市場については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて、一部の案件が先送りや中止となり、2020年上半期に新規案件の提案活動に制約があったことから、2020年下半期には需要減少の影響が表れたと分析している。

 一方、サーバー仮想化向けでは金融や官公庁などでの予算化された案件や、通信/メディアや情報サービスでの通信/ITサービス基盤向けの案件が堅調に推移。また、Virtual Desktop Infrastructure(VDI)向けでは、金融や公共/公益などで大型案件があったことに加え、COVID-19対応として短期間でVDIを導入する案件も見られたことから、ハイパーコンバージドシステム全体の需要を下支えし、前年同期比成長率は2桁%の水準を継続したとしている。

 国内ハイパーコンバージドシステム市場は、ITインフラの運用/管理の効率化、ビジネスニーズに対応する俊敏性や柔軟性の向上、導入の迅速性や容易さ、スモールスタートと柔軟な拡張性の実現などを背景に、今後も成長を継続すると予測。ハイパーコンバージドシステムは、短期的には仮想化環境の課題を解決するITインフラとしての需要を中心に普及が進むと見込んでいる。

 中長期的には、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって創出される次世代ワークロードへの対応、既存ITインフラストラクチャの効率化、さらにエッジ、オンプレミスITインフラ、複数のパブリッククラウドを統合的に管理するハイブリッドクラウドの実現を目的に、ハイパーコンバージドシステムの普及が拡大すると予測している。

 IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャのシニアマーケットアナリストである宝出幸久氏は、「国内ハイパーコンバージドシステム市場はCOVID-19の影響を受けたものの、2020年も二桁成長を継続した。しかしながら、COVID-19の影響を受け、今後は従業員規模別、産業分野別、地域別、ワークロード別におけるセグメントごとの成長性の差が顕著となるであろう」と分析している。

国内ハイパーコンバージドシステム市場予測:2020年~2025年