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東北電力のコンテナ型データセンター「宮城AIデータセンター」が竣工、次世代型GPUサーバーのハウジングサービスを提供
2026年8月10日 06:00
東北電力株式会社は7月31日、株式会社ゲットワークスと締結した覚書に基づいて新設したコンテナ型データセンター「宮城AIデータセンター」の開所式を開催した。東北電力では同データセンターにおいて、次世代型GPUサーバーに対応したハウジングサービスを提供する。
宮城AIデータセンターは、東北電力が宮城県宮城郡七ヶ浜町内に保有する遊休地に新設したコンテナ型データセンターで、高性能GPUサーバーの安定稼働に必要な電源や高効率な冷却設備などを備える。推論処理や分散計算など、大規模なAIワークロードに安定かつ低遅延な通信環境を提供し、生成AIやAI開発基盤の迅速かつ安定的な構築を支援する。
従来型データセンターと比較して短期間での環境構築・利用開始を実現しており、将来的なGPUの高性能化やサーバー増設に対応できる拡張性も備える。
宮城AIデータセンターの仕様は、利用単位はラック単位/コンテナ単位の両方が可能。耐荷重は2t/㎡。受電はコンテナあたり50kW(増強も可能)。空調はN+1冗長構成。冷却方式は空冷で、将来的には水冷にも対応予定。通信は1G×2回線(2027年度より10G予定)。セキュリティはICカード付き扉、監視カメラなど。
東北電力は宮城AIデータセンターを活用して、顧客GPUサーバーの設置場所を提供するハウジングサービスを展開する。AI向けの次世代型GPUサーバー(NVIDIA H200、B300など)に対応し、顧客の要望を踏まえて使用電力などのカスタマイズに対応する。
AIの開発から運用までを支える基盤を提供
7月31日に行われた開所式では、東北電力常務執行役員の紀野國文康氏があいさつに立ち、「東北電力グループはエネルギーの安定供給に加え、地域や産業を支える新たな事業展開にも挑戦している。その一環として、この度、株式会社ゲットワークスと共に、次世代型の高性能GPUサーバーに対応したコンテナ型データセンターの実現に向けて準備を進めてきた。その構築には高度な専門知識と豊富な経験が必要で、ゲットワークが有するプレファブ技術その他を活用して、短期間でこの設備の整備を実現できた」とコメントした。
また、「近年、生成AIの急速な普及に伴って、高性能GPUサーバーに対する需要は着実に拡大している。宮城AIデータセンターは、こうした需要の高まりに応えるとともに、AI自体を支える重要なデジタルインフラとしての役割を果たしていくものと考えている。東北電力が2024年2月に提供開始したGPUクラウドサービスと、今回のハウジングサービスを合わせて、AIの開発から運用までを支える基盤を提供していく。宮城AIデータセンターが、地域におけるデータ産業の発展と新たな価値創出の拠点となり、地域社会の持続的な発展に貢献できるよう、関係する皆様と力を合わせながら取り組んでいく」と語った。
七ヶ浜町長の寺澤薫氏は、「これからあらゆる経済活動や社会生活において、生成AIの利用がますます浸透してくる、高まってくるだろうという中、七ヶ浜町がそうしたデータセンターの象徴的な場所になるということを大変嬉しく思っている。七ヶ浜町は東北電力の仙台火力発電所が設置されて以来、一緒に町と共に歩み、東北の発展に炎を灯してきた。今回、また新しい分野でチャレンジしていくことで、今後の町づくりに皆様のお力を賜りたい」とコメントした。
総務省東北総合通信局局長の新田隆夫氏は、「AIの急激な発展と活用が進む中、データセンターは通信ネットワークとともに、ネットワークサービスやAIの利活用の基盤となる極めて重要なインフラとなっている。さらにデータセンターは、我が国のデータ安全保障の観点からも非常に重要なインフラとなっており、国内でデータを管理する、いわゆるデータ主権の観点からも重要性が高まっている。宮城AIデータセンターをはじめとする国内のデータセンターが、我が国の製造業や医療分野といったさまざまな産業用データをしっかり管理し、活用していくことで、生成AIやフィジカルAIといったものの国際競争力が確保され、ひいては我が国全体の経済成長につながっていくことに期待する」とコメントした。
構築分の約50%は既に契約済み、今後は水冷サーバーにも対応
開所式後には、東北電力DX推進部部長の浜口智洋氏と、ゲットワーク代表取締役の中澤秀則氏が取材に応じた。
宮城AIデータセンターの現状については、既に約50%が契約済みで、引き合いは大きいという。浜口氏は、「コンテナ型データセンターは、オーダーをいただいて数カ月でできるというメリットが大きい。東北電力でもすでにGPUクラウドサービスを提供しているが、GPUサーバーのホスティングについてもニーズが高く、そうした中で顧客の要望に応えられるサービスを提供できると考えている」と語った。
東北にデータセンターを展開することについて中澤氏は、「気候や冷却などの条件に加え、東北電力とともに良い場所を選んで展開できる」と説明。「現状、GPUサーバーを日本から注文すると届くまでには時間がかかるが、コンテナ型データセンターはそれまでの間に設置場所を整備でき、サーバーが届いたタイミングですぐに稼働できるというのもメリット。より多くのエリアにデータセンターを広げていき、さまざまなサービスを提供していきたい」と語った。
当初は空冷サーバーでサービスを提供することについては、「一番早い顧客が空冷サーバーでの運用だったということで、次には水冷サーバー運用の計画も控えており、準備はできている」(中澤氏)と説明。「今回は空冷からのスタートとなったが、宮城AIデータセンターには拡張の余地もあり、そうしたところでも水冷対応を進めていく」(浜口氏)と語った。






