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レノボ、Xeon E5-2600 v4搭載のx86サーバー新製品

米沢工場を利用した「製品付加価値サービス」も6月より提供

 レノボ・ジャパン株式会社は19日、CPUとしてXeon E5-2600 v4シリーズ(開発コード名:Broadwell-EP)を搭載した2ソケットサーバーを中心に、サーバー新製品ラインアップを発表した。

 同時に、米沢工場(NECパーソナルコンピュータ株式会社米沢事業場)でカスタマイズやソフトウェアインストール、検査などを実施する「製品付加価値サービス」の提供を6月から開始することも発表した。

 同日開催された記者発表会において、レノボ・ジャパン データセンターグループ事業本部事業部長/レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社 執行役員・ゼネラルマネージャーの上原宏氏は、レノボの社内組織の変更について言及。4月1日の再編により、データセンターを構成するサーバー製品とストレージ製品、ネットワーク製品の事業を1つにして「Lenovo Data Center Group(DCG)」が発足したことを説明した。

Xeon E5-2600 v4を搭載する2Uの2ソケットサーバー「System x3650 M5」
今回の新製品のポジション
レノボ・ジャパン データセンターグループ事業本部事業部長/レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社 執行役員・ゼネラルマネージャーの上原宏氏
Leonovo Data Center Group(DCG)が4月1日に発足

Xeon E5-2600 v4を搭載した新モデルなど

 「System x3550 M5」(1U)と「System x3650 M5」(2U)は、Xeon E5-2600 v4シリーズを搭載する2ソケットサーバーの新モデルだ。「中核をなすシリーズであり、半分以上の売り上げを占める」と、レノボ・ジャパン データセンターグループ事業本部 DCG製品本部 本部長の武田香代子氏。

 最新プロセッサ搭載によりパフォーマンスを44%向上(前世代との比較)。これにより、同じパフォーマンスでのサーバーの集約率を6倍にした。ストレージはSSDを1Uで46TB、2Uで120TB搭載。MVMe/PCIe型のフラッシュストレージにも対応する。「SDx(Software Defined X)の時代では、SSDやNVMeがたくさん入ることが要件となる」(武田氏)。また、従来と同様に、消費電力をおさえるアクティブ/スタンバイ・モードや、2つのCPUのそれぞれの温度にあわせて効率的に冷却する二重ゾーン冷却なども備える。

 また、IBM由来のSystem x3550/System x2650シリーズと同じ製品ゾーンで、Lenovo由来のシリーズとして「ThinkServer RD350」(1U)および「ThinkServer RD 450」(2U)も発表された。同じくXeon E5-2600 v4搭載。

「System x3550 M5」(1U)と「System x3650 M5」(2U)の変更点
Xeon E5-2600 v4シリーズ搭載製品の効果
レノボ・ジャパン データセンターグループ事業本部 DCG製品本部 本部長の武田香代子氏

 1Uで1ソケットサーバーの「System x3250 M6」は、エントリーモデル製品の新モデル。CPUはXeon E5-2600 v4の前世代(Skylake世代)のXeon E3-1200 v5シリーズを搭載。「それほど厳しいワークロードではないが信頼性が必要なユーザーに向けた製品で、冗長電源もホットスワップも装備している」(武田氏)。前世代製品と比べてCPUパフォーマンスが28%向上。前世代と比較してメモリー容量が倍にアップ、メモリ速度が33%アップしたという。

1Uで1ソケットサーバーの「System x3250 M6」。Xeon E3-1200 v5を搭載
記者発表会で展示された「System x3250 M6」

 同じく2ソケットサーバーのエリアで、ブレードサーバー「Flex System」と高密度サーバー「NeXtScale System」でもXeon E5-2600 v4搭載ノードが登場。Flex Systemでは「Flex System x240 M5」が、NeXtScale Systemでは「NeXtScale nx360 M5」が追加された。

ブレードサーバー「Flex System」と高密度サーバー「NeXtScale System」でも、Xeon E5-2600 v4搭載ノード「Flex System x240 M5」「NeXtScale nx360 M5」が登場

 こうしたサーバー製品については、VMwareおよびRed Hatとの組み合わせを検証した「リファレンス・アーキテクチャー」のペーパーも用意されているという。

 同時に、システムの管理・監視・プロビジョニングのソフト「XClarity」も新バージョンである「v1.1」がリリースされた。v1.1では、ThinkServerのサポートと、ネットワークスイッチのサポート、モバイルアプリからの管理、VMware vRealize Orchestrator用のプラグインなどが加わった。

VMwareおよびRed Hatとの組み合わせを検証した「リファレンス・アーキテクチャー」のペーパー
システムの管理・監視・プロビジョニングのソフトの新バージョン「XClarity v1.1」

米沢工場でカスタマイズや検査

 新製品と同時に、パートナーとサービス&サポートについての施策も発表された。

 サービス&サポートとして発表されたのが、米沢工場での「製品付加価値サービス」だ。デリバリー前検品や、メモリ増設やソフトウェアのインストールなどのカスタマイズを、米沢工場で実施してから納品する。サービス開始は6月から。「顧客やパートナーがわずらわしいと感じるようなことをサービスとする」と上原氏。「現実はまとまった台数で利用していただくことになるだろう。データセンターで数百台というのがわかりやすいケースだ」(上原氏)。

 また、パートナー施策としては「Lenovo Togetherプログラム」が発表された。「イベントやセミナーなど、深いレベルでマーケティング活動の協業をする。社内的には100社集めるという宣言をしている」(上原氏)。第1弾のパートナーとしてはRed HatやVMware、Nutanixなどが名を連ねている。

米沢工場での「製品付加価値サービス」
製品付加価値サービスの解説ビデオより。米沢工場で検品やカスタマイズを実施
パートナー施策「Lenovo Togetherプログラム」。イベントやセミナーなどのマーケティング活動で協業

高橋 正和