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ワコール、マイクロソフトの“3種の神器”で店舗販売員のスキルアップへ

 株式会社ワコールが、店舗販売員(ビューティーアドバイザー:以下、BA)のスキルアップに向けて、Windowsタブレット、Microsoft Azure、Office 365を採用した。日本マイクロソフト株式会社が18日、発表した

 国内のアパレル市場全体が縮小傾向にある中、ワコールは品揃えの強化、販売戦略・営業体制の見直し、業界間のコラボなどを通じて、国内需要の喚起と市場の活性化に取り組んでいる。

 その一環として、BAにも商品紹介に加え、ショップ・売り場づくりやイベント企画などを店舗と直接交渉・商談できる新たなスキルを求め、生産性の向上を進めている。BAの能力を最大限に生かすため、働き方の変革を促進。その第一歩として教育体制や接客手法の改革に踏み切った。

 具体的にはBAが自発的に学びスキルアップできる環境をめざし、BAにWindowsタブレットを配布し、教育コンテンツをMicrosoft Azureのクラウド上に配置。Windowsアプリ、Office 365、およびソリマチ技研の接客システム「UNITE-R2 セールスコンシェルジュ」を活用して、新たな業務環境の構築を進めている。

 例えば、BA向けの教育用テキストとカタログを電子化し、タブレット閲覧できるようにするとともに、使い慣れたExcelで教材作成部門自らがコンテンツのレイアウトからデータ管理まで行える環境を用意することで、店頭での効率的な教育とコンテンツ管理負荷軽減の両立をめざす。カタログ上で管理する1万点以上の商品をシーズンごとに更新するような、膨大な情報更新作業をExcelで行うことで効率化するという。

 また、SharePoint Online上でビューテーアドバイザー向けの確認テストを行い、Windowsタブレットによる学習状況を追跡調査できるようにした。SharePoint Onlineで新たな情報共有基盤を構築することで、各店舗のノウハウ・成功事例を互いに共有したり、WindowsタブレットにBAが質問・要望を書き込むことで本部にリアルタイムに伝達可能にしたりすることも可能に。

 こうした結果、元々は教育用コンテンツだったWindowsタブレット上のカタログを接客に活用する店舗も出始めているという。

Windows アプリの画面イメージ
SharePoint Onlineを活用した店舗間の情報共有のイメージ

 ワコールでは、2015年2月の初期教育実施後3月より、首都圏の主要25店舗へのWindowsタブレット65台の展開を完了し、今後1年半程度をかけて国内の百貨店約240店舗に導入拡大していく計画。導入が完了すれば、百貨店のBA約1000人に対し、約3人に1台の割合で配備されることになるという。

 ワコール 執行役員 ワコールブランド事業本部 事業統括部長の関口博之氏は「教育改革の一番のポイントは、紙をそのままWindowsタブレットに置き換えるのではなく、新しい営業体制・販売体制の下で課題解決に結びつく有効な仕掛けを作ること。Windowsタブレットはそのための必須の道具だと確信しています」と述べている。

川島 弘之