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NTTソフト、クラウドストレージと秘密分散技術を利用したファイル保存ソリューション

データを3分割し、3クラウド事業者に分散保存した場合の利用イメージ

 NTTソフトウェア株式会社(以下、NTTソフト)は25日、秘密分散技術を利用したストレージサービス「TrustBind/Hybrid Storage」を発表した。社内ストレージと変わらない使い勝手を確保しつつ、安全にファイルを利用できるという。

 「TrustBind/Hybrid Storage」は、クラウドストレージを利用して、データを安全に保存するソリューション。ユーザー企業の社内に設置されたゲートウェイ(Hybrid Storage ゲートウェイ)で、データを単独では意味のない断片に分割し、複数のクラウドストレージに保存する。

 このため、データの一片が漏えいしたとしても情報を読み取れないほか、分割したデータの1つが消失しても、残りの2カ所以上のロケーションに保存されたデータから元データを復元できる。また、インターネットを利用したデータ転送時にも、特別な暗号化を行う必要がなく、暗号鍵も使わないので、鍵の管理も必要ないとのこと。なお、このソリューションで利用している秘密分散技術は、NTTセキュアプラットフォーム研究所の技術を応用している。

 データを保存するクラウドストレージは、リスク分散の観点から、特定の事業者に依存せず、複数事業者のサービスから選択して分散保存可能で、社内ストレージも分散保存先の1つとして利用できる。また定期的なデータチェックを行っており、各ロケーションでデータ改ざん・消失の疑いがあった際は、自動でデータを復旧することも可能とした。

 なお、Hybrid Storage ゲートウェイがクラウドストレージ固有のインターフェイスを隠ぺいし、LinuxやWindowsなどのファイルシステムとして取り扱えるようにすることで、社内の業務アプリケーションは、ファイルインターフェイスを修正することなく、社内ストレージを利用するのと同様に、クラウドストレージへのファイル保存や操作を行える。

 クラウドサービスは、Amazon Web Services(AWS)のAmazon S3と、NTT ComのCloudnをサポート。今後、Windows AzureやGoogle Driveにも対応する予定。

 参考価格例は、一年間で10TBのデータを3分割し、3クラウド事業者に分散保存した場合で、年間360万円(税別)。NTTソフトでは、今後3年間で5億円の売り上げを見込んでいる。

石井 一志