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NEC、米モバイルキャリアとSDN/NFV領域で協業

 日本電気株式会社(以下、NEC)は11日、米国のプリペイド式携帯通信事業者であるCricket Communicationsと、SDN(Software Defined Networking)/NFV(Network Functions Virtualization:ネットワーク機能の仮想化)領域での協業に合意したと発表した。

 NECでは、従来は専用ハードウェアで提供されてきた、LTE基地局を収容するモバイルコアネットワーク装置(EPC)を仮想化し、vEPCとしてミャンマーの基幹通信網に導入しているほか、スペインTelefonicaと家庭内通信機器の仮想化ソリューション(vCPE)の共同実証実験を実施。また、MVNO(通信事業者の通信網を利用する事業者)向けに相互接続機能を実現する「仮想化MVNOソリューション」(vMVNO)も提供するなど、SDN/NFV領域でソリューションを手掛けてきたという。

 今回は、NECではCricket Communicationsとの合意に基づき、vEPCの実証実験を米国サンディエゴで実施した。この試験では、x86サーバー上での仮想化機能の動作検証、仮想化ネットワークの集中制御の実証を行い、その有効性を確認したとのこと。

 通信事業者はvEPCを導入することで、EPCの機能を汎用サーバーの仮想化基盤上に構築できるようになるため、ネットワークの統合運用と管理の自動化、制御の最適化などが可能になる。また、システム構築にかかる装置コストや、システムごとに必要だった運用コストの低減を削減できることに加えて、装置調達のリードタイム短縮も実現するとした。

石井 一志