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NTTコムウェア、QoEに着目したSDNコントローラソフト「SmartSDN Controller」

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は28日、ネットワーク構築や運用業務を支援するソフト「SmartSDN Controller」を発表した。SDN(Software Defined Networking)/OpenFlow技術を用いて、ネットワーク構築時の機器設定・変更、ネットワークの通信制御、運用業務を柔軟に支援できるという。販売は11月29日より開始する。

 SmartSDN Controllerは、NTTコムウェアが開発したOpenFlowコントローラソフト。スイッチやルーターを集中管理することにより、ネットワーク全体が把握できるため、既存のルーティングプロトコルに依存した経路・迂回(うかい)制御ではなく、故障やネットワークのトラフィック状況に応じた柔軟な経路変更を可能にする。

 また、通信が流れているネットワークの遅延、ゆらぎ、ロスといった品質をQoE(Quality of Experience)の指標として、5段階から判断。より良い経路へと迂回することで、サービス品質の安定・維持を図る仕組みを搭載した。

 さらに、予期せぬソフト、ハード、ネットワークの故障発生時にもサービスの継続を可能とするため、SmartSDN Controllerの冗長化を実現。拠点間を流れる通信パケットを疑似的に作成し、仮想ネットワーク上の経路に流すことで、経路上の故障の早期発見や、疎通確認・通信経路確認試験を行う機能も備えた。

 対応するサーバーOSは、Red Hat Enterprise Linux 6.4。このサーバーをコントローラとして、OpenFlow 1.2以上に対応したスイッチを制御できる。価格は構成によって変わるが、1000万円程度からを想定するとのこと。

 なおNTTコムウェアでは、これまで培ってきた技術を、ネットワークの仮想化が進むデータセンターやユーザー企業内のLAN環境へ適用することで、シンプルかつ効率的なネットワークの運用管理実現に向けて取り組むとのこと。また、将来的には通信事業者のコアネットワークへの適用を目指すとしている。

石井 一志