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オープンソース監視ソフト「Zabbix 2.2」、性能改善やVMware対応など100以上の新機能を提供

迅速なアップグレードを実現する新サービスも

 ラトビアZabbix SIAは12日、オープンソース監視ソフトウェア「Zabbix」の新版「Zabbix 2.2」を発表した。VMware仮想環境の監視機能、Windows WMI(Windows Management Instrumentation)監視機能など100以上の新機能と機能改善が含まれているという。

 Zabbixは、オープンソースで提供されているシステム監視ソフトウェア。統合監視に必要な障害検知/通知機能などを備えているほか、多くのプラットフォームに対応したZabbixエージェントが用意されており、多様な環境をサポートしているのが特徴だ。

 新版では数多くのパフォーマンスの向上が行われており、「既存の監視環境ならびに新しいレベルのスケーラビリティのために、ディスクI/OとCPUの使用を最小限に抑えるように最適化されているとのこと。適切なハードウェアで毎分300万以上の監視項目を監視できるため、1台のZabbixサーバーで何万ものサーバー、仮想マシン、ネットワーク機器の監視をリアルタイムに行える」(Zabbix 創設者兼CEOアレクセイ・ウラジシェフ氏)という。

 また、VMwareのvCenterとvSphereの監視機能が実装され、ハイパーバイザーと仮想OSの監視を一元的に行えるようになった。オートディスカバリ機能も搭載しているので、多数の仮想OSを自動的に検知し、監視対象として登録することもできる。

 さらに、以前から搭載されているWeb監視機能がより強化され、監視設定のテンプレート化、HTTP Proxy対応の強化、シナリオ監視におけるページ中の文字列検索と再利用などの機能を新たに利用可能になった。これにより、より複雑なWebページのシナリオ監視を行えるので、監視設定の容易な展開に対応する。

 加えて、Windows WMIのサポートによりWindows環境の監視を改善。このほか、世界中のコミュニティやサポートユーザー、パートナーから寄せられた数千件以上の機能改善、機能追加要望を取り込み、100以上の新機能と機能改善が行われているとのこと。

 なおZabbix 2.2のリリースに合わせ、旧バージョンであるZabbix 1.8のユーザー向けに、「Zabbix 2.0/2.2 ファストアップグレードサービス」が開始される。

 Zabbix 1.8以前のバージョンからZabbix 2.0/2.2以降へアップグレードする場合、通常の方法では過去に蓄積された監視データの変換を要するため、規模に応じて数時間の監視の停止が発生するという。しかしこのサービスを利用すると、監視設定、過去の監視データを失うことなく、かつ監視の停止を最短では数分までに抑えて、Zabbixの最新バージョンへアップグレードできるとしている。

 アップグレードサービスの期間と費用は、環境のサイズ、監視対象機器、サービスの複雑さ、監視システムのダウンタイム許容範囲などにより異なるが、もっとも安価な「アップグレードライト」では、期間が1日間、価格が8万2800円からで、作業はリモートで行われる。また、一部作業をオンサイトで行う「アップグレードアドバンスト+」では、期間が5日間、価格が59万4000円(税別)から。

石井 一志