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ジュニパー、SDNソフト「Contrail」を国内で提供開始
(2013/10/4 06:00)
ジュニパーネットワークス株式会社(ジュニパー)は3日、ネットワーク仮想化ソフト「Juniper Networks Contrail」(以下、Contrail)の国内提供開始を発表した。また米国ですでに発表されているように、オープンソース版の「OpenContrail」も提供する。
「Contrail」はもともと、米Juniper Networksが2012年12月に買収した米Contrail Systemsが開発していたソフトウェア。BGPとXMPPを利用したオーバーレイネットワークを構築することが可能で、仮想ネットワークを構成するために必要な、SDNコントローラ、vRouter(仮想ルータ)、アナリティクスエンジンなどが提供されている。
具体的には、サーバーにvRouterをインストールし、仮想ルータ、あるいは物理ルータとの間でトンネルを張り、仮想的なネットワークを構築する。また、トンネリングの仕組みとしてはMPLS VPN技術を利用しており、「これらの、すでに実証されているテクノロジーに基づいて仮想ネットワークを構築できる点が最大の特徴」(サービスプロバイダービジネス統括本部 営業開発本部 チーフアーキテクトの長滝信彦氏)だ。
またOpenStack、CloudStackといったクラウドオーケストレータとの連携にもすでに対応していることから、企業だけでなく、サービスプロバイダー、キャリアなどの大型データセンターでも利用できるという。さらに、IBMとの提携により、同社のオーケストレータ「IBM SmarterCloud Orchestrator」との連携も実現した。
同社では、1社でSDNソリューションを提供するのではなく、幅広いベンダーや団体との連携が重要と考えているため、Riverbed、Chech Point、Red Hat、Citrixなど、多くの企業・団体との連携をこれからも広く推進していく考え。
そうした動きの一環として、9月には、「Contrail」のソースコード・ライブラリをオープンソースライセンスによって提供する「OpenContrail」プロジェクトも発表されている。現時点での機能は、オープンソース版も商用版も変わらないとのことで、商用版とは異なり、ジュニパーからの明確なサポートは提供されないものの、さまざまな先進機能を自由に試すことが可能だ。また長滝氏は、「オープンソース化することによって、イノベーションが起こることを期待している」と述べ、今後の進化にも期待していた。
なお、商用版の課金はソケット単位で、年額サブスクリプションと永久ライセンスの両体系が用意される。価格はいずれもオープン。