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システムインテグレータ、AIで設計図面の検図業務を効率化するサービス「KENZ」
単純なチェック業務をAIに任せ、設計リードタイムの短縮と本質的な検図への集中を可能に
2025年5月12日 08:00
株式会社システムインテグレータは、製造業向けAIエージェント事業の一環として、設計図面の検図業務を効率化するサービス「KENZ」を7月1日にリリースすると発表した。AIによって検図業務を支援することにより、設計者を単純なチェック作業から解放し、設計リードタイムの短縮と本質的な検図への集中を可能にするとしている。価格は個別見積もり。
検図業務とは、図面に不備がないかを確認する作業で、通常は、人間が隅から隅まで目で見てチェックを行っている。また多くの現場では、図面を作成した設計者によるセルフチェック、上司によるダブルチェック、そして承認者による最終チェックといった工程で検図作業を実施しているため、膨大な時間とコストがかかってしまっているとのこと。
「KENZ」は、こうした検図業務をAIによって支援するサービス。検図の機能については、どの企業でも行うと考えられる基本的なものを基本機能として提供するほか、ヒアリングのうえ、大幅な効率化が見込まれる要件については個別で対応できるので、その企業に応じた検図業務の効率化をサポートするという。
具体的なチェック内容としては、例えば、「部品表と組図内の部品構成の整合性チェック」「図面内の表記と端子ユニット表の整合性チェック」「複数図面間の表記の整合性チェック」「特定の形状の検出(要注意箇所の抽出)」「寸法の抜け確認」などに対応可能。こうした単純なチェック業務をAIに任せられるため、検図の作業時間を短縮できるほか、誤記などのポカミスもAIが網羅的にチェックを行えるので、設計品質の向上につなげられるとした。
利用にあたっては、図面と関連する書類をアップロードし、チェックしたい観点を指示するといった2ステップの簡単な操作で検図結果を確認できるため、専門的なAIの知識を持たない設計従事者でも直観的に利用できるとのこと。
加えて、利用企業のネットワーク内での動作が可能で、機密情報である図面を外部のインターネット環境にアップロードせずに利用できることから、現状のセキュリティ基準から変更する必要はなく、素早く運用を開始可能な点も特徴である。