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デル・テクノロジーズ、「PowerEdge R770」サーバーなどデータセンター向け新製品を発表

 米Dell Technologies(以下、デル・テクノロジーズ)は現地時間8日、サーバー「Dell PowerEdge」やストレージ「Dell PowerStore」の新モデルなど、データセンター向けの新製品を発表した。

 デル・テクノロジーズでは、多くの組織がAIの台頭や、従来および最新のワークロードをサポートする必要性、高まるサイバー攻撃の脅威などに対応するため、IT戦略を見直しており、こうした中でIT部門は、拡張性、効率性、適応性の向上を実現するために、コンピュート、ストレージ、ネットワークを共有リソース プールとして抽象化する、分離型のインフラストラクチャーへの移行を進めていると説明。

 今回、デル・テクノロジーズが提供する、サーバー、ストレージ、データ保護のイノベーションは、顧客がITインフラストラクチャーに対するアプローチを刷新し、既存および最新のワークロードのニーズを満たすことができるように構築されたものだとしている。

 Xeon 6プロセッサーを実装した「PowerEdge R470/R570/R670/R770」サーバーは、1Uおよび2Uフォームファクターの、シングル/ダブルソケットサーバーで、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、仮想化、アナリティクス、AI推論といった、高い要件が求められるワークロードをサポートする。

 PowerEdge R770では、複数のレガシープラットフォームを統合して電力効率を高めながら、42Uラックで最大80%の省スペース化を実現する。これにより、エネルギーコストと温室効果ガスの排出量を最大で半減できるとともに、プロセッサーあたりのコア数を最大50%増やし、パフォーマンスを67%高められると説明。データセンターのフットプリントが削減されることで、サステナビリティーの目標達成を促進しながら、パフォーマンスを損なうことなく、全体的なTCO(総所有コスト)を削減できるとしている。

 また、OCP(Open Compute Project)の一部であるDC-MHS(Data Center – Modular Hardware System)アーキテクチャーにより、運用を簡素化しながら将来にわたる対応が可能になると説明。DC-MHSによってサーバーデザインが標準化され、より簡単に既存のインフラストラクチャーに統合できるようになるため、顧客の選択肢の幅も広がるとしている。

 ストレージ製品「PowerStore」の最新ソフトウェアでは、「Dell AIOps(旧:CloudIQ)」を使用し、「Smart Support」によるアラートと対応、パフォーマンスヘッドルーム分析、カーボンフットプリント予測などにより、コストを削減しながら手作業の負担を軽減する。

 ゼロトラストセキュリティーの強化も実施し、米国防総省(DoD)のスマートカード認証のサポート、証明書の自動更新、「Storage Direct Protection」統合の強化による最大4倍の高速バックアップとリストア、さらに最新の「Dell PowerProtect」システムのサポートにより、アクセス制御と可用性の向上を実現する。

 さらに、高度なファイルシステムをサポートし、高度なファイル管理機能、セキュアなファイルスナップショットによる堅牢なデータ保護、容量へのインサイトによるスマートなストレージ計画、また「Dell Unity」システムからの効率的な移行により、システムのパフォーマンスが向上する。

 また、デル・テクノロジーズは、オブジェクトプラットフォーム「ObjectScale」の次世代バージョンを発表した。ObjectScaleは卓越した拡張性、パフォーマンス、効率性をAIワークロードに提供。次世代ObjectScaleは、エンタープライズグレードのアーキテクチャーを進化させるとともに、新たなオールフラッシュおよびHDDアプライアンスオプションを提供するとしている。

 「ObjectScale XF960」は、AIワークロードに対応するパフォーマンスを提供するために、最も近い競合製品と比べてノードあたり最大2倍のスループットを提供し、前世代のオールフラッシュシステムと比べて最大8倍の密度を実現する。HDDベースの「ObjectScale X560」は、メディア取り込み、バックアップ、AIモデルトレーニングなどの主要なワークロードを、83%の読み取りスループットで高速化する。

 また、ObjectScaleをベースに、米Wasabiと共同開発した新たなハイブリッドクラウドソリューションを基盤として提供。マルチサイトフェデレーション、クラウドへのコピー、Geoレプリケーション、グローバルネームスペース、データガバナンスなど数々の機能によって、より容易なAIデータレイクの運用と安全な保護を可能にするとしている。

 「PowerScale」は、AI運用環境のバックボーンに適したスケールアウトアーキテクチャーのストレージで、先進的機能によりテラバイト(TB)あたりのパフォーマンスの向上、データセンターの設置面積のさらなる省スペース化を実現し、手頃な価格とパフォーマンスのバランスによってTCOを最適化する。

 122TB SSDがGPUの利用率を最大化し、単一の2Uノード構成で最大6PBの高速データアクセスを実現するとともに、パフォーマンスと密度によって膨大なAIスループット要件を満たす。

 PowerScaleのAシリーズ/Hシリーズノード(A310、A3100、H710、H7100)は、HDDベースのプラットフォーム用に刷新したコンピュートモジュールにより、レイテンシーの低減とパフォーマンスの向上を実現する。将来にわたりデータセンターの適応性を確保し、AIトレーニングデータをより長期間保持できるとしている。

 データ保護アプライアンスの「PowerProtect DD6410」は、12TB~256TBの容量を備え、商業、小規模企業、リモート環境に適したソリューション。最大1.9倍高速なリストアと拡張性に加え、最大65倍の重複排除機能による効率的な運用を実現する。

 「PowerProtect」オールフラッシュ対応ノードは、容量220TBのシステムによって、一層安全で効率的なデータ保護を提供し、1.6倍以上の高速なリストアスピード、最大36%の消費電力削減、5分の1のフットプリントを実現する。

 さらに、「PowerProtect Data Manager」のアップデートによって、異常検知機能によるセキュリティリスクを迅速に発見できると説明。また、Microsoft Hyper-VおよびRed Hat OpenShift Virtualization環境の仮想マシン(VM)バックアップを管理して、ObjectScaleへの容易なアーカイブによって、データを長期にわたり保持できるとしている。