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マクニカ、TenstorrentのAIアクセラレーター搭載PCIeカードやサーバーを販売

 株式会社マクニカ アルティマ カンパニーは13日、米Tenstorrent, USA(以下、Tenstorrent)と日本国内における代理店契約を締結し、TenstorrentのAIソリューションを提供開始すると発表した。

 マクニカでは、AI活用のユースケースは爆発的に増加する一方で、膨大な計算能力を必要とすることによる消費電力の増大や、初期投資や専門人材の確保などAIコスト増大などの課題が生じていると説明。Tenstorrentは“AI Everywhere”の設計思想に基づき、こうした課題に対処可能なAI専用アクセラレーターおよびAI専用アクセラレーター搭載サーバーを提供するとしている。

 Tenstorrentのソリューションは、HBM(広帯域幅メモリ)不要かつAI処理に特化した高効率な設計により、従来のGPUなどの競合製品と比べてコスト、消費電力を抑えつつ、優れた性能を実現。同一アーキテクチャーおよびソフトウェアを用いることで、小型から大型システムまで容易に拡張可能で、独自開発のスケーラブルなAI専用アクセラレーターにより、高パフォーマンスと低コストを実現するとしている。

 ホストCPUには業界標準のx86を採用し、ソフトウェアスタックは全てオープンソースとなる。そのため、ベンダー独自のフレームワークやライブラリに依存することなく、顧客がプラットフォームをカスタマイズ、最適化し、既存のワークフローやシステムにシームレスに統合できるとしている。

 TenstorrentのAI専用アクセラレーターには、独自の「Tensix」コアを採用し、柔軟かつスケーラブルなアクセラレーター、サーバー製品を提供する。マクニカでは、すでに同製品を導入の上、検証を進めており、顧客サポートに備えて万全のサポート体制を構築しているという。

 マクニカでは、Tenstorrentの第2世代AIアクセラレーター「Wormhole」を搭載したソリューションを提供する。

 最大2個のWormholeを搭載したPCIeカードは、Wormhole 1個搭載の「n150」と2個搭載の「n300」の2モデルをラインアップし、既存のサーバーやワークステーションに実装するだけで、高性能AI環境を構築できる。また、複数のカードを連携させ、性能を向上させることも可能となる。

 合計8個のWormholeを搭載したデスクトップ型ワークステーションは、空冷設計の「TT-LoudBox」と、液冷/静音設計の「TT-QuietBox」をラインアップし、さまざまな研究・開発環境のニーズにフレキシブルに対応する。

 合計32個のWormholeを搭載したラックマウント型サーバー「Galaxy」は、スケーラブルな高性能AIコンピューティングを実現する。

AI専用アクセラレーターおよびAI専用アクセラレーター搭載サーバー(Wormhole世代)