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国内の業績が過去最高のウィズセキュア、2025年はAI機能「Luminen」進化版も予定

 ウィズセキュア株式会社は2月28日、2024年の業績報告と2025年の事業および製品ロードマップについて説明会を開催した。

 ウィズセキュア 代表執行役員社長の藤岡健氏によると、2024年は日本のビジネスが過去最高で2桁成長を記録したという。グローバルでは前年比約5.5%成長で、1億1600万ユーロ(日本円で約183億円)の売上になったとしている。

2024年グローバル業績

 フィンランドに本拠地を置く同社では、ヨーロッパでの売上が約50%を占め、次いで北欧が約25%となる。「日本およびその他の地域」と位置づけられる地域での売上は約16%だが、「このほとんどが日本の業績だ」と藤岡氏はいう。

 ライセンスの販売形態は、年額ライセンスまたは月額ライセンスとなっており、これまで年額ライセンスが大半だったというが、「利用形態の変化や契約の柔軟性を求める傾向が高まりつつあり、月額での契約が伸びている」と藤岡氏。また、サービス事業は2024年に本格展開を開始し、「非常に大きな伸びを示した」としている。

ウィズセキュア 代表執行役員社長 藤岡健氏

 2025年は、引き続きパートナーとの協業を推進する。1月にはパートナープログラムを開始しており、プログラムを通じたパートナーの支援に注力するほか、2027年にサポートが終了するオンプレミス製品の「WithSecure Business Suite」からクラウド型「WithSecure Elements」への移行を推進すべく、移行促進プログラムも用意する。

 「日本には現在もBusiness Suiteのユーザーが多い。2027年までになるべく早くElements環境に移行し安定稼働ができるよう、4月には移行プロモーションを開始する予定だ」と藤岡氏は述べている。

2025年度 日本の基本事業戦略

 また、マネージドサービスの展開も予定しているほか、2024年末に日本語版をリリースした「Exposure Management」のサービス化も推進するという。

 マネージドサービスは、パートナーとともに展開する「Co-Security Service」の一環として、「Managed Detection and Response」(MDR)および「Incident Response」を提供する予定だ。

 MDRについて藤岡氏は、「24時間365日のモニタリングにより、脅威を検知した際には検証と調査をしてアラートを発信、対応するガイダンスを出してインシデント対応と修復を行う。さらなる調査や対応が必要な場合は、WithSecureのインシデントレスポンスチームにエスカレーションすることも可能だ」と説明する。同サービスは、今年7月ごろの展開開始を目指す。

WithSecure MDRの仕組み

 なお説明会には、フィンランド本社から来日したWithSecure Corporation 製品・ポートフォリオマネジメント担当 バイスプレジデントのアルトゥリ・レティオ(Artturi Lehtio)氏も登壇し、今年発表予定の製品について語った。

WithSecure Corporation 製品・ポートフォリオマネジメント担当 バイスプレジデント アルトゥリ・レティオ氏

 「5月に開催予定の年次イベント『SPHERE25』では、さらに進化したExposure Managementが登場する。また、Extended Detection and Response(XDR)に関しては、AWSおよびAzureに対応したXDR for Cloudを紹介する。AI機能のLuminenもより進化し、Luminen Proが登場する予定だ」(レティオ氏)。

 Exposure Managementの機能強化の一部としてレティオ氏は、「レポーティング機能を強化した」と話す。具体的には、パートナーがテクニカルな観点で顧客をサポートする際のレポーティングだけでなく、経営層にもわかりやすいレポートが作成できるよう注力しているという。

 Luminen Proでは、「リアルタイムで脅威インテリジェンスを活用できるようになるほか、顧客の環境から重要な情報やコンテキストを取り込んでレコメンデーションできるようになる」とレティオ氏は話す。

 Luminen Proの開発にあたっては、パートナーと連携して開発を進める予定で、「その中には一部日本のパートナーも含まれている」とレティオ氏。Luminen Proは、今年後半に一般リリースを予定しているという。

2025年の製品ロードマップ

 レティオ氏は、「パートナーや顧客からのフィードバックをもとに、製品計画は随時見直していく。これからも要望やフィードバックを真摯に受け止め、機能を構築していきたい」と述べた。