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シスコ、ネットワーキングとセキュリティサービスをオールインワンで提供するデータセンター向けスイッチ「Smart Switches」を発表

 米Cisco Systems(以下、シスコ)は現地時間11日、ネットワーキングとセキュリティのサービスをコンパクトなオールインワンのソリューションとして提供する、データセンター向けスイッチ「Smart Switches」のファミリーを発表した。

 Smart Switchesは、プログラミング可能なAMD Pensandoデータプロセッシングユニット(DPU)を活用することで、大容量かつ多機能なサービスホスティングデバイスとして機能するとともに、データセンターの設計を簡素化し、効率性を向上させるというアーキテクチャの観点から変革をもたらすと説明。シスコ初の統合型ソリューションとなる、Cisco Hypershield搭載のSmart SwitchはAIデータセンターのセキュリティ確保に対する新たなアプローチを採用し、セキュリティをネットワークファブリックに直接融合するとしている。

 シスコでは、AIワークロードの拡大により、データセンターの構築、管理はますます複雑になっており、データセンターの運用にはよりシンプルにインフラを設計、構築、展開し、AIを最大限に活用する方法が求められていると説明。AIのアプリケーションは、一元化された超大型施設に大規模言語モデルを配置し、ネットワークの最端にある農業水利を監視するネットワークドローンを配置するなど、必要とされる場所に配置する必要があり、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、セキュリティを新たな方法で統合して、簡素化された管理プラットフォームを介し、自動化された予測可能な運用を実現できるようなインフラが求められているとしている。

 Cisco Smart Switchesは、サービスをデータセンターファブリックに追加するのではなく、直接統合することで、よりシンプルで効率的、かつ拡張性の高いアーキテクチャを提供すると説明。Ciscoデータセンター ネットワーキング、Silicon One、AMD DPUsを組み合わせることで、顧客は新たなハードウェアを追加することなく、サービスを拡張して変化する事業ニーズに迅速に対応できるとしている。

 スイッチには、安定したデータ転送を実現する高性能ネットワークプロセッサと、俊敏なセキュリティ処理を実現するネットワークサービスサイドカーの2種類のプロセッシングエンジンを搭載。トラフィックは、2つのエンジン間でインテリジェントに稼働し、最適なパフォーマンスを実現する。

 このアーキテクチャの転換により、ハードウェアの統合、消費電力の削減、運用管理の簡素化を実現し、コストを削減すると説明。Cisco Smart Switchesは、NX-OSスイッチのすべての機能と、Nexus Dashboardによる管理機能を搭載し、ステートフルセグメンテーション、IPSec暗号化、テレメトリーの強化、DDoS防御など、多様なユースケースに対応するとしている。

 最初の統合サービスは、Cisco Smart SwitchesとHypershieldを組み合わせ、データセンターセキュリティに対する新たなアプローチを導入する。高度なAIネイティブのハードウェアアクセラレーションによる、分散型セキュリティアーキテクチャをデータセンターファブリック内で直接組み合わせることで、データセンターネットワークに溶け込んだセキュリティを提供する。スイッチレイヤに組み込まれたHypershieldは、アプライアンスの数を削減し、データセンター運用者がワークロードを構成するサービスごとに「マイクロペリメーター」を設定できるようにするとしている。

 また、自律的なセグメンテーションポリシーを実現し、顧客は適切な適用ポイントでセキュリティポリシーを自動的に更新できることで、最小限の手作業で一貫したセキュリティを確保できるようにする。最新のセキュリティ対策を維持して、障害を最小限に抑制し、導入前に自己検証型のセキュリティアップデートを活用することで、企業がリスクを最小限に抑え、ポリシーライフサイクル管理を大規模に実施できるようにする。

 複数の領域にわたって一貫したポリシー施行を容易に拡張でき、クラウド、オンプレミス、従来の次世代ファイアウォールにおける適用ポイントのライブラリ全体で、一貫してポリシーを管理できる機能により、Cisco Hybrid Mesh Firewallを使用することで、顧客は単一の管理システムを利用できるとしている。

 さらに、パーソナライズされた運用によるネットワークとセキュリティのワークフローを管理すると説明。このソリューションは、既存のプロセスにシームレスに統合され、NetOps、SecOps、またはNetSecOpsチームが、単一のソリューションを使用して接続性とセキュリティを維持するための、共通ワークフローや個別ワークフローに対応するとしている。

 24個の100Gポートを搭載した初の「Cisco N9300 Smart Switch」は、2025年春に出荷開始予定。48個の25Gポート、2個の100Gポート、6個の400Gポートを搭載したToR(top-of-rack)モデルは、2025年夏に提供開始予定。