ニュース
KDDI、柔軟な容量拡張が可能なクラスタ型ルーターのバックボーン適用に向けた技術検証を完了
2025年2月20日 06:30
KDDI株式会社は19日、柔軟な容量拡張が可能なクラスタ型ルーター(DDBR: Distributed Disaggregated Backbone Router)の、バックボーンネットワーク適用に向けた技術検証を、2月14日に完了したと発表した。
クラスタ型ルーターは、従来のシャーシ型(一体型)ルーターと異なり、ハードウェアとソフトウェアが分離しているため、筐体のスロット数などの制約に影響を受けずに、必要な機器の増設を迅速に行える。例えば、同ルーターではケーブルを接続するラインカードの追加を行うことで、トラフィック増大に対し柔軟にスケールアウトできる。
KDDIは、2020年から同ルーターに関する取り組みを進めており、2023年6月には、インターネットゲートウェイピアリング用として商用導入を開始している。今回の検証では、ルーティング機能検証、パケット処理性能検証、相互接続検証などを実施し、固定・モバイルを含む、KDDIの商用バックボーンネットワークで利用できる機能と性能を持っていることを確認した。
クラスタ型ルーターは、オープン化されたクラスタ型で構成されているため、トラフィック要件に応じてハードウェアを追加し、トラフィックの増大に柔軟に対応し、適切な容量のルーターを設計できる。また、大規模なルーター1台の構成を小規模なルーター複数の構成に変更することにより、冗長性を高められ、ネットワーク全体の信頼性向上に寄与する。
ピアリング、コア、エッジなどの領域に関わらず、同じアーキテクチャー・機器でネットワークを構築できる。これにより、予備品や検証・運用ナレッジを共通化でき、機器コストを低減し、かつ効率的なネットワーク運用に寄与する。また、特定のベンダーに依存せず、さまざまなベンダーのハードウェアとソフトウェアを自由に組み合わせられるため、要件に応じた新機能追加にも迅速に対応できる。
KDDIは、今後もTelecom Infra Project(TIP)での取り組みを推進し、バックボーンだけでなくアクセスネットワークやデータセンターを含むネットワーク全体のオープン化や、多様なベンダーの参入による競争の促進、さらなる技術革新に貢献していくとしている。