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FinatextとNEC、生成AIを活用した保険会社向けソリューションを共同開発

 株式会社Finatextと日本電気株式会社(以下、NEC)は28日、保険会社におけるシステムのモダナイゼーションを共同で支援していくと発表した。

 FinatextとNECでは、保険業界では少子高齢化の進展や自然災害の甚大化、デジタル技術を活用した異業種からの参入・新サービスの開発など、市場環境が大きく変化しており、社会環境や顧客ニーズの変化に柔軟に対応可能なビジネスモデルやシステム環境の変革が求められていると説明。具体的には、開発期間の短縮化や 顧客体験価値向上のための保険業務に関わるデータの分析・活用・連携が挙げられるとしている。

 こうした状況を受け、デジタル保険領域用のSaaSソリューションを有するFinatextと、保険会社向けシステムの開発実績と最先端の生成AIを持つNECが協業することで、これらの課題に対応したソリューションを共同開発していくと説明。ソリューションは2025年度をめどに、保険会社へ提供することを目指す。

 開発するソリューションでは、契約から保全、支払いまでの一連の保険業務領域に、Finatextが提供するSaaS型デジタル保険システム「Inspire(インスパイア)」を活用する。Inspireは、2020年から提供されているSaaS型システムで、保険業務に必要な基本機能が既に備わっているため、新たに保険システムを構築する場合と比べてイニシャルコストを低減できる。

 さらに、NECが開発した生成AI「cotomi」や、生成AI活用に関するナレッジなどと、Finatextが保有する金融領域に関する専門性と知見を組み合わせることで、保険会社の業務の高度化を実現する。例えば、保険に関する相談や契約締結時の利用者サポートを生成AIで実現し、より最適な保険商品・サービスの提案や業務を行うことを可能とすることで、CX(Customer Experience)向上や業務効率化、CS(Customer Satisfaction)およびES(Employee Satisfaction)向上を実現する。

 ソリューションではローコードツールを活用し、開発者のスキルに依存することなく、新商品の追加や商品改定時のUI開発、CX向上施策の企画・提案などを柔軟かつスピーディに行うことが可能にする。

 また、ソリューションは、ユーザー画面などのフロントエンドと、データベースなどのバックエンドを分離し、カスタマイズ範囲を限定したアーキテクチャを採用する。動作検証済みのツールやサービスのみを組み合わせることで、システム構成の検討・動作検証を行う必要がなく、迅速にシステム開発に着手できる。

 両社は、これらの特長を有するソリューションを共同で開発し、2025年度中の提供開始を目指す。