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NEC、情報を損なうことなく図表を読み取りデータ化するサービスを提供開始

生成AIの適用業務の拡大促進を図る

 日本電気株式会社(以下、NEC)は27日、情報を損なうことなく複雑な図表を読み取り、データ化するサービスを、2025年1月から提供開始すると発表した。これにより、生成AIで活用可能なデータの種類を広げ、適用業務の拡大を進めるとしている。

 新サービスは、図表が表している情報を損なうことなく、自動でデータ化して利活用できるように支援するサービス。従来、複雑な図表を読み取ってデータ化する作業は、AIなどを用いて自動化しようとしても、文字の読み取りや図表の判別などに機能が限定され、例えば、文字や図表の間の位置関係によって表される文脈を理解できなかったため、時間をかけて人間が行っていたという。

 しかし新サービスでは、図表の意味や形式を考慮した処理を行うことで、文字や図表の間の位置関係によって表される文脈を損なわずに、正確に自動読み取りを行えるとした。これにより、業務マニュアルや商品カタログのように、図表を多く含む書類の生成AIでの活用が加速し、回答の正確性を高めるとともに、図表を活用したユースケースの拡大が促進されるとのこと。

新サービスによる図表の理解例

 またNECでは、損益計算書やプロセスフロー図、組織図など、専門性の高い業務に特化した図表をデータ化し、AIのファインチューニングに必要な追加学習やRAGに活用することで、専門業務に特化したAIを構築可能になるため、これまでは対応できなかった高度なタスクの実行を実現するとしている。

 読み取り可能な図表は、手書き書類、組織図やガントチャートといったチャート類、画像、グラフなど。このほか、セルが結合されていたり罫線がなかったりする複雑なテーブル、ダイアグラムなどにも対応できるとした。

新サービスで扱える図表例