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ピュア・ストレージ、データマネジメントの新たなイノベーションを発表

エンタープライズ向けリアルタイムファイルサービスなどを提供

 ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社は18日、年次イベント「Pure//Accelerate 2024 Tokyo」の開催に合わせて記者説明会を実施し、同イベントで発表された「リアルタイム・エンタープライズ・ファイル・サービス」など、ピュア・ストレージ・プラットフォームの新たなイノベーションについて説明した。

写真左から:ピュア・ストレージ アジア太平洋・日本地域担当 兼ゼネラル・マネージャーのネイサン・ホール氏、ピュア・ストレージ コア・プラットフォーム事業部門 ゼネラル・マネージャーのショーン・ハンセン氏、ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏

 説明会の冒頭で挨拶したピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏は、「ピュア・ストレージは今年で設立15周年を迎え、日本法人は10周年となった。当社は、これまでのデータストレージの概念やサービスを覆し、設立当初から世界に必要とされる革新的なデータマネジメントを追求し続けてきた。今回、さらにデータが爆増する時代に向けて、新たなイノベーションを発表する。設立から15年を経て、これから先の10年も世界をデータマネジメントの側面から力強く支えていく」と語った。

ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏

 続いて、ピュア・ストレージ アジア太平洋・日本地域担当 兼ゼネラル・マネージャーのネイサン・ホール氏が、グローバルのビジネス概況について紹介。「当社のビジネスは好調に推移しており、2025年度Q2のサブスクリプションARRは、対前年成長率24%の15.1億ドルとなった。全世界の顧客数は1万3000を超えており、Fortune 500企業の62%が導入している。顧客満足度の指数はNPS 82で、業界最高位となっている。また、ガートナーが発表した2024年プライマリ・ストレージ・プラットフォーム部門のマジック・クアドラントでは、11年連続でリーダーに選ばれた。そして、オールフラッシュ・ストレージにおける市場シェアも伸びており、2024年度Q2はNetAppを超えて2位に浮上した」という。

ピュア・ストレージ アジア太平洋・日本地域担当 兼ゼネラル・マネージャーのネイサン・ホール氏

 アジア太平洋地域および日本のビジネスも好調で、「アジア太平洋地域は、2024年度Q2における外付け型OEMストレージ市場全体の前年同期比成長率(ベンダー別売上高)が10.5%に対して当社の成長率は42.1%だった。日本でも、市場全体の前年同期比成長率が22.8%であったのに対して、当社は72.9%と大幅な成長率を達成した」としている。

Pure//Accelerate 2024 Tokyoで発表されたさまざまな新製品を説明

 年次イベント「Pure//Accelerate 2024 Tokyo」で発表されたピュア・ストレージ・プラットフォームにおける新たなイノベーション「リアルタイム・エンタープライズ・ファイル・サービス」「仮想マシン(VM)アセスメント」「ユニバーサル・クレジット」の概要について、ピュア・ストレージ コア・プラットフォーム事業部門 ゼネラル・マネージャーのショーン・ハンセン氏が説明した。

ピュア・ストレージ コア・プラットフォーム事業部門 ゼネラル・マネージャーのショーン・ハンセン氏

 ハンセン氏は、従来型のファイルアーキテクチャの問題点について、「多くの手作業と階層化されたサービスを要する柔軟性のない複雑なアーキテクチャであるため、ニーズへの適応力を妨げ、効率性と信頼性を低下させている。また、画一的な消費モデルであり、ニーズの変化やAIなどの新たなユースケースに対応することができない。さらに、新たなサイバー脅威に対して俊敏な対応ができず、場当たり的な修正によってアタックサーフェスが拡大している」と指摘する。

 こうした課題を解決するべく、エンタープライズ向けの新たな統合型アーキテクチャとして「リアルタイム・エンタープライズ・ファイル・サービス」を提供するという。同サービスでは、グローバルストレージプールによってビジネスの動的な変化にリアルタイムに対応。各アレイの容量の事前割り当て計画などの煩雑な作業を不要にし、ストレージリソースの最大限の活用を可能にする。また、Pure Fusionにより、導入されているデータストレージアセット全体で、ワークロードの配置やアレイの組み合わせのリバランシングなど、フリートレベルの運用を自動化できる。

グローバル・ストレージ・プールの概要

 業界初の移動なしのティアリング(Zero-Move Tiering)を実現。これによって、従来型のティアリングの複雑さを排除し、FlashBlade間でデータを移動することなく、最適な性能レベルを提供することができる。

移動なしのティアリング(Zero-Move Tiering)の概要

 常時オンのサービス品質(QoS)機能により、すべてのワークロードへのリソース割り当てを的確に行うことが可能。また、データアクセスの分離によって、信頼性が確認されていない複数のドメインをサポート。複数のシェアの提供またはネームスペースのエクスポート、異なるドメイン間でのファイル共有が可能となる。

 ファイル・ストレージの管理では、セキュリティやフォレンジックのためのファイル監査イベントをAIコパイロットのChatGPT機能を介してサポートする。業界初の自然言語モデルであるAIコパイロットを活用することで、ジェネラリスト、チーム、経験豊富なストレージ管理者を含む誰もがファイル関連の課題に効率よく対処し、ITのボトルネックを解消できる。さらに、のストレージ・アズ・ア・サービス(STaaS)「Evergreen//One」を提供し、業界最多のSLAを同時に保証しているとした。

 このほか、説明会でハンセン氏は、「リアルタイム・エンタープライズ・ファイル・サービス」に関連したAI対応プラットフォームの拡張として、新たなエントリーレベルのオールフラッシュストレージ「FlashBlade//S100」を披露。「『FlashBlade//S100』は、より小規模なスターター構成に対応しており、ブレード×7、DirectFlashモジュール(DFM)×4の構成で、物理容量126TBから3PBまで拡張することができる」という。AI、コンプライアンス、コンテンツ共有、画像リポジトリ、IoT、エッジ、ROBOアプリケーションなど、エントリーレベルのエンタープライズユースケース向けに設計されたスケールアウトアーキテクチャを基盤としている。

「FlashBlade//S100」を披露するハンセン氏

 2つ目のイノベーション「仮想マシン(VM)アセスメント」は、BroadcomによるVMware買収にともない仮想化環境の不確実性と革新性が高まるなかで、重要なワークロードの仮想化運用の最新化を支援する機能を提供する。同機能はPure1に実装され、性能の監視、シナリオ・プランニングの改善、ライトサイジングに関するレコメンデーションの提示を行う。管理者は、VMリソースを最適化するタイミングを特定できるだけでなく、VMリソースの利用状況やサブスクリプションの内容に関する深いインサイトが得られる。なお、同機能は、Pure1のサブスクリプション契約に含まれているため、追加料金なしで利用できる。

「仮想マシン(VM)アセスメント」の概要

 3つ目のイノベーション「ユニバーサル・クレジット」は、購入したクレジットのプールを、特定のサブスクリプションに限定せずに、様々なサービスで利用可能にするクラウドライクな消費モデル。「ユニバーサル・クレジット」を購入し、Evergreen//OneやPure Cloud Block Store、Portworxの各サービスに適用することで、ボリュームディスカウントを利用できる。ビジネスのニーズに応じて、ストレージコストを最適化・転換できる柔軟な購入オプションとなっている。