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NECとアイシン、生成AIとデジタルヒューマン技術を組み合わせたパートナーAIシステムを開発へ

金融業界向けのサービスを12月より提供

 日本電気株式会社(以下、NEC)は15日、株式会社アイシンと共同で、生成AIとデジタルヒューマン技術を組み合わせたパートナーAIシステム「NEC Personal Consultant」の、提供に向けた開発を開始したと発表した。12月から金融業界向けのサービスを提供開始し、順次、適用業種を拡大する予定としている。

 今回開発するシステムでは、NEC Generative AI Frameworkにより、業務・利用シーンに応じた最適なLLM(大規模言語モデル)の利用が可能となるほか、NECが開発した生成AI「cotomi」の利用により、業種や業務に合わせた高度な応答を実現するという。

 また、高い認証精度が特徴のNECの顔認証技術を活用した、信頼性の高い本人確認や、対話を通じた属性や状況の認識・推測によって個々のユーザーに対応した的確なサービスを提供。対話履歴から、会話内容のモニタリングや改善のサポートが可能となるとした。

 こうした仕組みにより、ヒトが相手の表情や声色からお互いの気持ちを推測するように、カメラ画像や音声からユーザーの状況や想いをくみ取るとともに、LLMと融合することで、利用者に寄り添う共感的な対話インターフェイスを実現するとのこと。

 また、デジタルヒューマン「Saya」を活用した独自技術で、表情・視線・ジェスチャー等の非言語表現をリアルタイムかつ適切に表出し、ヒトとAIとの温かく自然なコミュニケーションが可能になるとしている。

サービスの仕組み

 NECでは開発した技術を生かし、パートナーAIシステム「NEC Personal Consultant」として、金融業界向けを皮切りに、12月より販売を開始する予定。今後はさらに、ヒューマンタッチを必要とするホテル、リテール、交通、不動産など、さまざまな業界への適用を検討するとのこと。

 加えて、マイナンバーカード認証など、認証技術の適用を広げ、パートナーAIシステムの活用領域を拡大するとともに、デジタルヒューマンの安全な利用に向け、AI活用の倫理やガバナンスのあり方を提言するとしている。

システム利用の様子(イメージ)