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デロイト トーマツ、生成AI技術などを利用し企業の内部監査やJ-SOX評価の効率化を支援するサービス

 デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社(以下、デロイト トーマツ)は11日、企業の内部監査や内部統制報告制度(J-SOX)の評価業務を、生成AIを用いて効率化するサービスを提供すると発表した。

 今回発表した新サービスは、生成AIおよび独自開発したアプリケーションを活用して、内部監査の標準的な手続きやJ-SOX評価での定型的な業務の効率化を支援するもの。このアプリケーションは、RAG(検索拡張生成)技術に、デロイト トーマツが保有する内部監査手続の留意点や不正リスクシナリオといった、内部監査・J-SOXの知見を取り入れて自社開発されており、内部監査・J-SOXの評価において、生成AIを有効活用できるように調整されているという。

 具体的には、内部監査で扱うドキュメントのさまざまなファイル形式に応じたチャンク分割ロジック、テキストに加えて画像情報や音声ファイルの読み取りも可能なマルチモーダル機能、生成AIが判断根拠とした証憑名・証憑ファイルのページ数の出力機能などを搭載。内部監査手続書をプロンプトに変換するツール、複数プロンプトを並列に連続実行するバッチ処理機能、生成AIの回答結果を調書に転記するツールなど、業務効率化のための技術も活用されている。

 利用にあたっては、例えば、企業が証憑ファイルと関連する内部監査手続を記述したプロンプトを、このアプリケーションに入力すると、生成AIが証憑を評価し、結果が自動出力される。出力された結果には、生成AIが判断根拠とした証憑ファイル名や、証憑ファイルのページ数が記載されているため、企業は迅速に結果の確認を行えるとのこと。さらに、出力された結果を調書に自動転記することも可能なため、内部監査・J-SOX評価業務における調書作成を自動化できるとした。

 なお、このアプリケーションの導入では、まず、J-SOXや準拠性監査のうち、定型業務について、デロイト トーマツと企業が生成AIの適用範囲を検討。次に、アプリケーションを実際に導入し、効果の検証・評価をもとに、精度向上に向けたアプリケーションの改善を実施する。

 また導入開始後も、生成AIの技術発展を見据え、テーマ監査におけるリスク評価といった内部監査の非定型業務への活用の可能性を検討し、生成AIの利用領域を拡大させることが可能。加えて、デロイト トーマツが従前より提供している、内部監査・J-SOX評価業務支援サービスと組み合わせた利用にも対応するとしている。

アプリケーションの利用イメージ(内部監査手続を記述したプロンプトとその回答例)