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日野市、LGWAN接続系からのローカルブレイクアウト可能な環境に向け「A10 Thunder CFW」を採用

 A10ネットワークス株式会社(以下、A10)は3日、東京都日野市が、LGWAN接続系ネットワークからのローカルブレイクアウト可能な環境づくりに向けて、統合型ADC+ファイアウォール製品「A10 Thunder CFW」を採用したと発表した。

 日野市は、2023年4月に「日野市DX推進計画」を策定し、数年間にわたる全庁的なDX推進計画を実行しており、その中で、インターネット接続への不便さから、3層分離におけるαモデルネットワークの再編を検討していた。また、サブスクリプションモデルであるMicrosoft 365への将来的な移行も含め、現行のαモデルでもインターネットでライセンス認証が可能な環境を用意する必要があった。

 そうした中で、Webフィルタリングに使用してきたプロキシサーバーが更改時期を迎えたことから、この機会に先行投資として新たな環境づくりを模索することになった。具体的な要件としては、Webフィルタリングの機能とともに、プロキシとして円滑な経路制御が可能なこと、特定ドメインを識別して経路変更が可能なローカルブレイクアウト機能を有すること、クラウドサービスで頻繁に発生するドメイン変更への自動追従が可能なこと、LGWAN接続系とインターネット接続系の双方で使用するため一つの筐体を論理分割できること、他自治体における導入実績が豊富なことなどを掲げ、競争入札を実施した。

 その結果、プロキシやWebフィルタリング、ブレイクアウト通信のオフロードといった複数の機能を一つの筐体に統合し、コストパフォーマンスに優れるA10の統合型ADC+ファイアウォール製品「A10 Thunder CFW」の採用が決定したという。

 A10 Thunder CFWは現在、職員1200人ほどが利用しているLGWAN接続系およびインターネット接続系双方の、ネットワークにおけるプロキシとして活用されている。帯域面で瞬間的なバースト通信に耐えられる環境が整備され、ネットワーク構成の変更などにも柔軟に対応できるようになった。

 A10 Thunder CFWにより、LGWAN接続系ネットワークからローカルブレイクアウトする環境が先行して構築されたことから、2024年末の利用開始に向けたMicrosoft 365のアクセス検証も進められている。また、職員の要望に応じて、インターネット接続でのライセンス認証が必要なアプリケーションが利用できるようになる。

 A10 Thunder CFWが持つ、SSLインサイト機能を活用したSaaSのテナント制御なども見据え、A10は引き続き日野市の職員に対する安全で最適な業務環境の提供に貢献していくとしている。

日野市のネットワーク構成図