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TOPPANデジタル、スマートシェルフの商品ID・店頭機器・配信コンテンツを一元管理可能なシステムを開発

流通・小売店舗などに向け2025年4月より本格提供を開始

 TOPPANグループのTOPPANデジタル株式会社は、スマートシェルフの商品ID・店頭機器・配信コンテンツなどの一元管理を実現する「スマートシェルフ管理システム」を開発し、流通・小売店舗などに向け、2025年4月より本格提供を開始すると発表した。

 スマートシェルフとは、消費者が棚からICタグ付き商品を手に取ると、棚上のアンテナにより商品が取られたことが認識され、商品の個別情報を自動認識できるシステム。当初、流通・小売業界では、物流・在庫管理用途でスマートシェルフの導入が進められてきたが、昨今では消費者体験の向上を目的に、店頭における消費者行動に基づいた商品情報の取得や関連コンテンツ配信など、商品の販促用途での導入ニーズが高まっているという。

 TOPPANでも2020年から、流通・小売業界を中心とした商品の販促活動の一環として、スマートシェルフの販売・提供を開始しており、導入企業に合わせた筐体の開発やコンテンツの配信、マーケティング戦略の支援などを行ってきた。しかし現在のスマートシェルフは、個々に配信データを登録・管理する必要のあるスタンドアロン型が主流であり、多店舗展開を行う流通・小売り店舗などでは、台数や導入店舗が増えるほど、運用更新の手間が増えてしまっているとのこと。

 今回発表されたスマートシェルフ管理システムは、こうした課題に対応するためのもので、スマートシェルフの商品ID・店頭機器・配信コンテンツを複数店舗で一元管理できるようにしている点が特徴。1店舗・1セットでの簡易導入だけでなく、複数店舗・複数セットでの本格導入にも対応可能なため、複数拠点の商品ID管理や、販促用配信コンテンツの切り替えなどが容易になるとした。

 スマートシェルフでは、消費者がICタグ付き商品を手に取ると、棚上のアンテナにより商品が取られたことが認識され、商品の個別情報がデジタルサイネージ上に表示される。今回のシステムでは、スマートシェルフのICタグからの情報に基づき、消費者が商品を手に取った回数や日時のデータを収集・可視化して、管理システムにて集約する仕組みを搭載。商品ごとのデータを管理画面からリアルタイムで確認できるのみならず、複数拠点のデータを収集して、人気商品の把握や商品の陳列配置の見直しを行うといった、精度の高い分析を実現するとしている。

 なお、スマートシェルフで利用するICタグは、UHFおよびNFCの周波数を問わず使用可能となっており、このシステムの導入にあたっては、国内外の各種リーダ機器(低出力、高出力)やアンテナ、各社機器との連携など、商品対象物にあわせたカスタマイズの検討が可能。また、システムの導入に合わせ、スタッフによる関連機器のコンサルティングやサポートも行えるとのことだ。

 価格はシステム構成、アンテナ、リーダ機器の構成によって異なるが、目安として一式で50万円から。別途、PC機器や設置導入サポートなどの費用も必要となる。

 TOPPANデジタルでは、アパレルや書店など、すでにICタグが実装されている流通・売店舗を中心に提供を図るほか、展示会やモデルルームなど、商品を消費者に紹介する会場・施設にも展開する予定で、2026年度に10億円の売上を目指している。