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NEC、一度に多人数を認証できるウォークスルー方式の顔認証システムをグローバルで発売
2024年9月3日 14:16
日本電気株式会社(以下、NEC)は3日、生体認証技術により、立ち止まることなく一度に多人数を認証するシステムを開発し、日本、アメリカ、シンガポールを中心にグローバルで販売すると発表した。販売開始は9月30日を予定している。
新たに提供するシステムは、NECの顔認証技術と、身体の特徴から人物を照合する技術を用いることで、あらかじめ設定した入場エリア内の人物を迅速に検出するとともに、混雑下でもその人物を継続して認識し続けることができるという。
また、多人数が立ち止まらずに自然に歩きながらでも検出を行えるため、1分間に100人のリアルタイムな認証を実現するとのことで、従来の入場管理システムのように、1人ずつ順番に通過させるためのゲートがなくとも、行列を解消し、利用者の負担を軽減するスムーズな入場が可能になるとした。
さらに、希望する企業向けのカスタマイズ機能として、事前に顔画像を登録していない利用者が通過しようとした場合は、頭上や床面などに設置したディスプレイやイルミネーションで視覚的にアラートを示す、といった機能を提供可能。認証時には、事前にダウンロードしたアプリやメールで本人に認証完了したことが通知される。
こうした仕組みにより、利用者とスタッフそれぞれが入場可否をその場で簡単に把握でき、利用者の通行と認証の効率性を向上できるだけでなく、既存施設の拡張や増設を行わなくとも混雑の緩和を実現するとした。
NECでは、空港、工場、オフィス、アミューズメント施設といった、多人数が一度に集中してしまうようなさまざまな利用シーンにおいて、混雑緩和や業務効率化に貢献するとアピールしている。
最小構成としては、ハードウェアアクセラレーション技術を組み込んだ、手のひらサイズの小型エッジ端末とカメラ1台から導入が可能で、多様な場所での導入やコスト面での効率の良い増設を実現する点も特徴という。
このほか新システムでは、「Bio-IDiom Services ID連携」による生体認証・ID連携機能など、さまざまなアプリケーションと接続し、多様なユースケースで活用できるとのことで、将来的にはARグラスなどと組み合わせることで、セキュリティとホスピタリティの両立も実現するとしている。
なおNECは7月に、国内のNEC社員2万人を対象としてこのシステムをNEC本社ビルに導入した。従来、利用者が社員証をかざして解錠していた自動ドアを、歩きながらの顔認証によって手ぶらで通過できるようにすることで、利便性を向上させている。加えて、利用者が左右どちらの扉に向かったのかをシステム側が判断し、通過する扉を解錠することも可能とのこと。