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富士通、IOWN構想のグローバル展開を促進するオープン オールフォトニクス・ネットワーク ラボを欧州に開設

 富士通株式会社は8月30日、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の基幹技術の一つである、オールフォトニクスネットワーク(以下、APN)のグローバル市場での普及を目指し、オープンAPNが提供するさまざまな機能の体験が可能なオープンAPNラボを、ドイツのデュッセルドルフに2024年11月から2025年3月末まで開設すると発表した。

 オープンAPNラボでは、通信事業者やデータセンター事業者、ベンダー各社が、オープンAPNの機能検証やマルチベンダー製品との接続検証を行え、グローバルでのオープンAPNの効用および運用の容易性や汎用性などを身近に体験できる。

 オープンAPNは、大容量、低遅延および低消費電力を実現しつつ、マルチベンダーの製品やソリューションの接続も容易にする。日本国内では2025年度より新たなIOWNの本格導入が見込まれており、さらなるAPNの普及が期待されている。

 富士通は以前から、モバイルネットワークも含めたネットワーク技術のオープン化に取り組んでおり、今回のオープンAPNラボの開設により、オープンネットワークへの理解と普及を促進し、低消費電力による環境負荷低減や、大容量・低遅延を生かしたサービスの実現などを通して、サステナブルな社会の実現に貢献していくとしている。

 富士通では、AI、ビッグデータ処理、次世代通信規格の5Gなどがグローバルに普及するに伴い、無線基地局とコアネットワーク間や、データセンター同士を結ぶ光通信の領域では、日本国内に限らず、伝送量の大容量化へのニーズがグローバルに高まっていると説明。また、通信インフラの拡大に伴い、通信事業者やデータセンター事業者の消費電力削減への取り組みも重視されており、グローバルで喫緊の課題となっているという。

 この課題を解決するソリューションについて、顧客やパートナー企業と議論をする場として、富士通はドイツのデュッセルドルフにあるFujitsu Technology Solutions GmbH内に、日本国外では初の施設となるオープンAPNラボを開設する。

 オープンAPNラボでは、富士通製APNの実機を用いて、性能や機能検証を行うことで、大容量、低遅延および低消費電力といったAPNの特長や、他社製装置との相互接続性検証を通じた運用の容易性や汎用性、有用性を確認できるほか、APNをベースとしたユースケースの紹介やデモによる将来のネットワークサービスを体感できる。

 富士通は、総務省の「欧州におけるオール光ネットワークの海外展開に向けた実証実験の請負」事業を請け負っており、オープンAPNラボを活用して、実証実験などを行っていく。

 オープンAPNラボは、2025年3月末までドイツのデュッセルドルフに開設し、その後は実際にフィールドで実証実験を行っていく予定。また、富士通は今後、同様のオープンAPNラボを北米地域にも開設するなど、さらなるグローバル展開を計画する。

ドイツのデュッセルドルフにあるFujitsu Technology Solutions GmbH