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ESR、同社グループ初のデータセンター「ESRコスモスクエア データセンターOS1」を竣工

 ESR株式会社は30日、大阪府大阪市住之江区にESRグループ初のデータセンター「ESR コスモスクエア データセンター OS1(以下、OS1)」の建物が、8月28日に竣工したと発表した。

 「ESR コスモスクエア データセンター」は、日本の主要なIXがある大阪市中心部から10km圏内に位置し、安定した電力供給と多くのクラウドネットワークへの接続拠点に恵まれた、データセンターにとって戦略的な地域にあると説明。同データセンターは3棟構成のキャンパス型で、今回竣工した第1期「OS1」は受電容量25MW(メガワット)を備える。

「ESR コスモスクエアデータセンターOS1」

 OS1は、大手クラウドサービスプロバイダーを含むハイパースケーラーを主なターゲットとし、データホールと呼ばれる専用区画から提供が可能で、AIデータセンターなど、顧客の多様なデータセンターニーズに柔軟に対応できる汎用性と拡張性を備える。OS1は8つのデータホール(合計面積5950㎡)を備え、各データホールには336ラック、合計2688ラックを予定する。

 また、ESRは物流施設開発で培ってきた「HUMAN CENTRIC DESIGN.」という、人を第一に考える開発理念をデータセンターにも展開していると説明。緑豊かで温もりを感じるエントランスホールや、バーカウンターを備えたリフレッシュエリアなど、無機質なイメージのあるデータセンターが、働く人や訪れる人にとって安全で魅力的に感じられる施設を目指したとしている。

 ESRは、ESG(環境・社会・ガバナンス)を経営の核とし、持続可能な社会の実現を目指し、2030年までに達成すべき目標や重要課題を特定した「ESG2030ロードマップ」の戦略に沿って、ESGへの取組みを推進している。責任投資原則(PRI)の署名機関となるなど、ESRグループ全体でサステナビリティ経営の高度化を進め、持続可能な物流施設・データセンターの開発に積極的に取り組んでいる。

 この方針に基づき、OS1はLEEDゴールド認証の取得を目指した建築計画を行っている。高効率の冷却システムを採用し、効率的なエネルギー利用や再生可能エネルギーの利用によるグリーン化、省エネのデジタル機器の採用など、CO2排出量削減にも積極的に取り組んでいます。年間平均PUEは1.3以下となる。さらに、基礎免震構造を採用することで、大地震時に入居企業の資産と従業員の安全を守り、建物の損傷を軽減させる効果が期待できるとしている。

 OS1は、建物の基本構造(コア)と外装(シェル)が完成し、引き続きデータセンターとしての設備実装工事を実施する。データセンターの稼働開始は2025年5月を予定する。また、第2期(OS2)および第3期(OS3)は、同計画地内で順次開発される予定で、3棟合計で受電容量130MWのキャンパス型の開発を計画している。

 ESRグループでは、データセンター市場の急速な成長に対応するため、初のデータセンター事業に特化したファンド「ESRデータセンターファンド1」を組成し、2023年11月に約14億米ドル(約2040億円)の募集を完了した。現在、日本(東京・大阪)をはじめ、香港、ソウル、シドニー、ムンバイ、シンガポールの主要なデータセンター集積地で、受電容量合計575MWのデータセンタープロジェクトが進行中で、受電容量2GW(ギガワット)以上のプロジェクトを計画している。

 引き続き、ESRはデータセンター事業を加速させ、APAC地域のデジタルインフラの拡張と経済発展に寄与していくとしている。

エントランスホール
セキュリティゲート
リフレッシュエリア
データホール
特高受変電設備室
発電機室