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ESR、東京都心部に受電容量60MWのデータセンターを開発、2028年サービス開始予定

 ESR株式会社は16日、東京都江東区有明にデータセンター開発用地を取得したと発表した。ESRはこの開発用地に、受電容量60メガワット(MW)のデータセンターを建築する計画で、2026年第2四半期の着工、2028年第4四半期のサービス開始を予定する。

 建設を予定する新センターは、世界でも最大規模のデータセンター市場である東京都心部に位置する優位性と、希少な大規模電力容量を生かし、今後ますます需要が見込まれる、低レイテンシーで高品質な都心コネクティビティを、ハイパースケーラーやクラウド事業者、大手企業などに提供するとしている。

 また、ESRグループは、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを全事業の中核にしており、新センター開発においても、再エネ化した電力の使用や、省エネ・高性能化した機器の採用など、グリーントランスフォーメーション(GX)推進に向けた建築計画を進めていくとしている。

 新センターは、ESR初のデータセンターである受電容量130MWの3棟構成のキャンパス型「ESR コスモスクエア データセンター」(大阪府大阪市)、受電容量30MW の「ESR 東久留米 データセンター」(東京都東久留米市)、受電容量100MWのキャンパス型「ESR けいはんな データセンター」(京都府相楽郡)に次いで、日本国内で4件目のデータセンタープロジェクトとなる。

「ESR コスモスクエアOS1」完成イメージ

 ESRグループは、世界のデータセンター市場の急成長に対応するため、東京と大阪に加え、香港、ソウル(韓国)、シドニー(オーストラリア)、ムンバイ(インド)およびシンガポールに、受電容量1.5(GW)のデータセンターを開発している。また、データセンター開発ファンド第一号の「ESRデータセンター・ファンド1」は、出資コミットメント総額13.5億米ドルで2023年11月に募集完了した。

 ESR代表取締役のスチュアート・ギブソン氏は、「データセンターはESRグループの主力事業に成長しています。当社が東京・有明で開発する本センターは、世界最大のデータセンター集積地の1つである東京都心部に位置し、60MWもの大規模電力容量を供給することができます。サービスプロバイダーに新たなビジネスチャンスを提供し、企業のAI活用とデジタルビジネスの加速を支援するだけでなく、日本政府が提唱している“Society 5.0”の実現にも寄与するプロジェクトと言えます。ESRはデータセンターの豊富な知見を持つ社内のデータセンター専任チームと共に、日本をはじめとするアジア太平洋地域の主要市場でデータセンターの開発を今後も積極的に続けてまいります」とコメントしている。

 ESRデータセンターCEOのディアミッド・マセイ氏は、「データのレイテンシーは小さいほど望ましく、都市部の人口密集地や既存のデータセンタークラスターに近い都市型データセンターへの需要は旺盛です。また、特に東京と大阪では従来型の古いデータセンターから近代的でエネルギー効率の高いデータセンターへシフトする必要性も高まっています。東京都心の旺盛な需要に応えることができる、大規模かつ先進的なデータセンターの誕生にどうぞご期待ください」とコメントしている。