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エクイニクス、大阪「OS3」データセンターで液体冷却サービスを提供開始

 米Equinix(以下、エクイニクス)は24日、大阪に位置するIBXデータセンター「OS3」において、顧客のニーズに合わせたさまざまな液体冷却(以下、液冷)方式に対応するため、冷水を顧客のラックやケージに直接提供するサービスを国内で初めて開始したと発表した。

 さらに、9月に品川キャンパス(東京都港区港南地区)で開設予定の「TY15」においても、同様の液冷サービスを提供すると発表。標準化された液冷サービスは、グローバル48都市で展開され、顧客は液冷ソリューションの設計から実装までの時間を大幅に短縮できる。

 エクイニクスは、企業のAIワークロードを強化する液冷の導入を加速しており、高TDP(熱設計電力)で稼働するCPUやNVIDIA GPUをより効率良く冷却し、パフォーマンスとエネルギー効率を最大限に高められるとしている。

 エクイニクスの冷却サービスを利用することで、顧客は信頼性の高いデータセンタープラットフォーム上に、自社に最適な液冷システムを柔軟に導入できるため、AIなどの高い計算能力を必要とするワークロードをサポートでき、高スループットで低遅延なパフォーマンスを実現するとともに、高速データアクセスが保証される。より高密度の電力が必要な、最新世代のGPUやCPUを搭載したシステムを望む顧客にも、最高レベルのユーザーエクスペリエンスを提供する。

 また、2024年1月には、グローバルにおいてNVIDIA DGX AIスーパーコンピューティング向けフルマネージドサービスを発表しており、顧客のAIエクスペリエンスをさまざまなサービスで支援するとしている。

 Platform Equinixは、顧客のデータ活用の実現に必要なデジタルエコシステムへのアクセスを可能にするプラットフォームとして、クラウド、グローバルネットワークバックボーン、デジタルエコシステムおよびエッジなどの相互接続拠点に位置付けることで、高電力密度をサポートするデータセンターサービスを提供する。

 その実現のために、エンドツーエンドの液冷ソリューションに必要な知識を有する専門家チームをグローバルで組織し、エクイニクスのエキスパートが、顧客や技術パートナーと協力して、二次冷却ループや液冷ケージの設計と構築を支援する。

 液冷サービスにより、顧客は最先端の冷却性能と計算能力を活用し、AI技術などのデータ駆動型ビジネスの競争力を強化できる。また、エンタープライズ対応の液冷を使用してワークロードを最適化することで、ハードウェアのパワーと効率を最大限に活用できる。

 高電力密度を必要とする顧客のアプリケーションに対して、実運用の安定稼働を確保でき、Platform Equinix上において、ミッションクリティカルな液冷対応のデジタルインフラストラクチャを構築できる。

 液冷は液体を媒体としてICT装置からの排熱の搬送を行うため、少ない流量や、小さな温度差で効率的にサーバーを冷却でき、より少ないエネルギーで効率的な冷却を実現し、データセンターの密度を高められると説明。さらに、新しい配管技術により、液漏れのリスクも極めて低減されているとしている。