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AWS、生成AIの実用化を支援する新プログラムを開始 国内の企業を対象に

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社は、「AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラム」を7月22日からスタートした。Amazon Web Services(AWS)を活用し、生成AIを使ってビジネス課題の解決に取り組んでいる国内の企業・団体を対象に、支援を行う。

 支援内容としては、「基盤モデルを開発・改良することで課題解決を目指す」パターンと、「アプリケーションに既存の基盤モデルを組み込み、活用することで課題解決を目指す」パターンの2つを想定しているという。

AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラム

 アマゾン ウェブ サービス ジャパンのサービス&テクノロジー事業統括本部 技術本部長・小林正人氏は、「我々自身も2023年はAIのPoCの年だったが、2024年はAIの実用化の年だと言っている。お客さまに接する中で、自分たちの課題を、AIを使ってどう解決できるのかという相談が非常に増えている。どう使っていくのか、どう取り込むのかといった話が増えている中、きちんと支援できるようにしたいというのが今回の新プログラム開始の意図」と、新支援プログラム開始の狙いを説明した。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 サービス&テクノロジー事業統括本部 技術本部長の小林正人氏

 今回のプログラムは、日本法人独自のプログラムとなっている。アマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 サービス & テクノロジー事業統括本部 統括本部長の安田俊彦氏は、日本独自のプログラムを提供する背景を次のように説明した。

 「私は昨年末までアジアパシフィックジャパンを担当として、日本以外にもインド、オーストラリア、ニュージーランド、アジア、韓国のお客さまを担当していた。その経験から、日本に特有の問題があり、課題を抱えているというよりは、新しいテクノロジーを使うすべてのお客さまが抱えている課題があるのではないかと考える。ただし、その一方で、実際に支援していくにあたっては、ローカルの文化を理解していることが大事で、日本のお客さまを理解した支援を行っていくことが大事だと考えている。これまで同様、日本向け投資を進めていきたい」。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 執行役員 サービス&テクノロジー事業統括本部 統括本部長の安田俊彦氏

 新プログラムは、AWSで生成AIを活用し、ビジネス課題の解決に取り組む国内の企業・団体を対象に支援を行うものだ。支援内容は、1)基盤モデルを開発・改良することで課題解決を目指す企業・団体への支援、2)アプリケーションに既存の基盤モデルを組み込み、活用することで課題解決を目指す企業・団体への支援――、という2つのパターンを想定する。

 1)の場合は、第1段階として戦略策定のための市場情報、課題設定、技術選定、技術スキル学習など、第2段階では、開発環境構築データ準備として、計算リソース確保、環境構築、データ基盤構築、データセット準備などを行う。

 また第3段階ではモデル活用・ビジネス適用として、事業化支援、AWS Web掲載、Marketplace登録支援、共同マーケティングなど、第4段階では協業マッチングとして、AWSパートナーとの協業マッチング、ユーザー企業との協業機会創出などをそれぞれ実施。さらに第5段階として、AWSクレジットの提供を行うとした。

モデルの改良・開発によるアプローチ モデル開発企業・団体への支援

 2)の場合では、第1段階は1)と同様だが、第2段階では設計方針を構築するためのモデル選定、セキュリティ、モニタリング、最適化を、第3段階ではカスタマイズを実施し、データ評価、プロンプトエンジニアリング、検索拡張生成(RAG)、ファインチューニングなどをそれぞれ行う。

 また第4段階として、AWSパートナーを活用したコンサルテーション、システム開発、導入、運用・保守などを実施。第5段階では、1)と同様にAWSクレジットを提供する。

既存モデルの活用によるアプローチ モデル利用企業・団体への支援

 AWS側では、AWSジャパン内のお客さま担当チーム、生成AI設計や構築を行うGenerative AI Innovation Center(GenAIIC)、AWSクラウドでビジネス成果を出すユーザーをサポートするAWS Professional Serviceなどが支援を担当する。

 ML Enablement Workshopでは、AIによるプロダクト価値強化の計画を策定する。AI技術によるプロダクト価値強化の手法を学ぶワークショップでは、資料をGitHubで公開しており、プロダクトを生成AIやMLを活用することで、継続的に成長させていくロードマップを策定する。またAI/MLのユースケース発見と、それを実現するための行動計画策定によって、その実践に取り組むチーム組成にフォーカスするとした。

ML Enablement WorkshopでAIによるプロダクト価値強化の計画を策定

 AWS Cloud Adoption Framework For AI, ML, Generative AIは、戦略を立案するものだ。AIからビジネス価値を生み出すことを目指す組織のためのフレームワークで、AWSが顧客と対話を通じて得た、AI導入を成功させるためのベストプラクティス集を提供する。企業レベルでAIを採用する際に、考慮すべき事項がまとまっており、実証実験(PoC)からその先に進む指針となるという。

AWS Cloud Adoption Framework For AI, ML, Generative AIで戦略を立案

 Generative AI Innovation Centerでは、カスタムモデルプログラムを実施。目的に応じたカスタマイズやエンドトゥエンドのエンゲージメントの実現、顧客自身のデータは公開されることがないようプライベート&セキュアであることを守っている。

 なお、生成AI実用化推進プログラム - 連携AWSパートナーとしては、アクセンチュア、デロイトトーマツ、NTTデータなど29社のパートナーが名を連ねている。

 参加者募集は2024年7月22日からスタートし、2024年10月31日まで行う。支援実施期間は、2025年3月末までを予定している。

 参加者に対しては、総額1000万ドル規模のクレジットを投資し、参加者のAWSサービス利用料負担を軽減し、生成AIの実用化を加速する。なお、AWSサービスクレジットは、想定コストの50%を上限とする。

 2023年には生成AIに取り組む顧客支援策として、「AWS LLM開発支援プログラム」を提供し、国内に拠点を持つ17の企業と団体を支援した。2024年の支援プログラムは、より実用的な支援策で、対象も広げていることから50社程度の参加を見込んでいる。