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和歌山市、OCIを利用した基幹業務システムのガバメントクラウド移行を開始
2024年7月9日 08:30
日本オラクル株式会社は8日、和歌山市が運用する統一・標準化の対象となる基幹業務システムのうち、住民情報系システム(住民基本台帳、印鑑登録、選挙人名簿管理、就学)を、ガバメントクラウドに選定されたクラウドサービスである「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を利用して移行を開始したと発表した。紀陽情報システム株式会社が同システムの運用や標準化を担っており、2025年1月に稼働開始を予定する。
和歌山市は、2023年から本格的に「地方公共団体情報システム標準化」の取り組みを進めており、ガバメントクラウドに適した標準準拠システムの運用方法を検討している。
紀陽情報システムは、近畿地域で20以上の自治体に標準準拠システムを提供する予定で、和歌山市と同様に、今後導入する自治体においてもOCIを採用し、政府が推進するガバメントクラウドへの移行に取り組んでいく。OCIサービスを活用したクラウドネイティブアプリケーションの提供は新たな取り組みであり、その成果は同社のみならず、自治体のクラウド活用に大きな成果をもたらすと説明。コストパフォーマンスに優れた柔軟なサービスを提供するため、和歌山市と日本オラクルと連携し、標準準拠システムへの移行を推進していくとしている。
和歌山市と紀陽情報システムは、OCIを採用するにあたり、「積極的なモダン化に対する支援」と「圧倒的なコストパフォーマンス」を評価していると説明。モダン化の実施については、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門の支援のもと、最適な設計を提案しており、さらにマルチベンダーアプリケーションを採用する和歌山市においても、OCIはコスト効果が高く、費用を継続的に低減できるとしている。
また、OCIの採用決定と合わせて、和歌山市、紀陽情報システム、日本オラクルの3者でガバメントクラウドおよびシステム標準化に関する連携を強化していく。具体的には、1)標準準拠システムの各種費用について、ガバメントクラウドを活用した費用低減策の可視化、2)標準準拠システムのモダン化の効果――のテーマに沿った共同研究を3者で行い、その成果を地方公共団体などに広く発信することで、2025年度末までのガバメントクラウドへの着実な移行や、政府が目標とする費用削減などの効果創出に向けた取り組みを進めていく。
日本オラクルは、以前から紀陽情報システムと協業し、和歌山市の住民情報系アプリケーションの安定稼働を支えていると説明。今後もガバメントクラウドで稼働する標準化アプリケーションを支えると同時に、日本オラクルが有する自治体市場における多くのDXの実績をもとに、和歌山市のデジタル化を支援するとしている。