ニュース

エクイニクス、セガサミーグループのAI実行環境を「Platform Equinix」で構築

 米Equinix(以下、エクイニクス)は20日、セガサミーホールディングス株式会社傘下のグループ会社による、玩具の企画や開発を含む各種業務の効率化のため、新たに構築した生成AI実行環境の基盤としてエクイニクスの「Platform Equinix」が採用されたと発表した。

 セガサミーホールディングスは5月7日、グループ会社である株式会社セガ フェイブ Toysカンパニー(以下、Toysカンパニー)の玩具の企画業務を効率化し、製品開発を強化するため、生成AIを活用する環境を展開した。

 構築した環境では、自社製品の画像を学習させた画像生成AIを活用し、既存製品のデザインを踏襲した改善案等を短時間かつ幅広く生成する。デザイナーは、AIが生成したデザイン案を基に、一層洗練されたデザインを制作するなど、クオリティを高める業務に集中できるようになったと説明。画像生成AIの活用により、デザイン案は100倍もの件数に上っており、今後、他の玩具のデザイン案制作においても、選択の幅が大きく広がることを見込むとしている。

 また、数万件におよぶ購入者アンケートの回答から、自由記入欄を含めた分析を実行。顧客からの意見や背景にある感情まで、生成AIが抽出、分類し、製品改善案の提案まで行ことで、担当者の主観やバイアスを排除した信頼性の高いデータを得られ、同時に飛躍的な効率化を実現した。実証実験では、アンケート分析業務は約80%の効率化を実現したという。

 さらにセガサミーグループでは、多様なデータを一元的に格納できるシステム(以下、データレイク)の構築や、生成AIの活用などの新たなデータ活用プロジェクトを推進しており、これらのプロジェクトにおいてPlatform Equinixを利用する。

 セガサミーグループの企業25社が、エクイニクスのInternational Business Exchange(IBX)データセンターを活用し、データを保存している(2024年5月時点)。これらのデータは主に動画や音源などのコンテンツで、エクイニクス内に置かれているサーバーやストレージ群の中で管理され、さまざまなクラウドと接続されているため、昨今のビジネス環境で求められるグローバルにおけるデータの共有と利活用に適応しているという。

 エクイニクスは今後も、セガサミーグループのAI活用による生産性や業務品質の向上、新たな価値の創造、そして同グループのグローバルな開発能力強化をサポートしていくとしている。

Toysカンパニーの生成AI利用環境のシステム構成