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フューチャーアーキテクト、エッジAIにより物流倉庫業務の出荷作業を効率化するサービスを提供

鴻池運輸が採用し、実運用を開始

 フューチャーアーキテクト株式会社は17日、スマートフォン上で稼働するAI-OCRソリューション「Future EdgeAI」を倉庫業務に導入することで、出荷作業を効率化するサービスを本格展開開始したと発表した。これにより、「ピッキングする製品にバーコードや2次元コードの表示がない」「作業指示が紙で送られてくる」など、ハンディターミナルでは難しかった現場業務の効率化を可能にするという。

 Future EdgeAIは、書類や伝票をスマートフォンやハンディターミナルなどの携帯端末で撮影するだけで、その場にて即時にデータ化できるソリューション。携帯端末単体での文字認識が可能なため、オフライン環境でも利用できるという。また独自のエッジAI技術により、漢字、ひらがな、カナ、英数字など、さまざまなフォントの活字や、手書き日本語も高精度で読み取れるとした。

 今回提供する新サービスは、このFuture EdgeAIを活用したもので、紙の出荷指示書を複合機から読み込んだPDFや、CSV等のデータをスマートフォンに取り込むと、配送先や配送時間などの条件をFuture EdgeAIが自動で判別して、担当作業員ごとに指示書を作成してくれる。そして、スマートフォンに表示された指示をもとに、作業員がピッキング対象の製品を撮影すると、Future EdgeAIが自動で製品を照合し、個数を突合して作業実績を記録する仕組みだ。

 これにより、紙の指示書を目視しての作業がなくなり、作業員の負荷が軽減されるほか、業務のデジタル化によって作業内容や要した時間が記録できるため、さらなる業務改善と効率化も期待されるとのこと。

 加えて、現場での業務運用に対応した個別のカスタマイズも行えるため、物流事業者のみならず、建築事業者、造船・プラント・重機事業者などの現場業務において、幅広く適用可能な点も特長とした。

 なお同ソリューションは、すでに複数の物流事業者で導入が決定しており、ファーストユーザーとなる鴻池運輸株式会社では、主に建材製品の保管・入出荷・配送業務を行う埼玉栃木営業所 東松山事業所にて、4月より実運用をスタートさせた。同社では、「事務所で事前にスマートフォンへ取り込んだ出荷指示書からAI-OCRによって判別した型式コード、ピッキング数のデータ」と、「現場にてスマートフォンのカメラで撮影した製品のラベル画像からAI-OCRで判別した型式コード」を照合して、見間違えを防止するとしている。