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トランスコスモス、コンタクトセンター向けプラットフォームに生成AIチャットボット「T-GPT」を搭載

 トランスコスモス株式会社は4月30日、生成AIを活用したチャットボット「T-GPT」を独自開発し、企業と顧客接点のCX最適化を実現するDXプラットフォーム「TCI-DX for Support」への搭載を開始したと発表した。

 TCI-DX for Supportは、コンタクトセンター事業を通して企業に直接届く顧客の声や、SNS上の顧客の声を活用するDXプラットフォーム。Web/アプリ上でエンドユーザーの自己解決率を約2倍に引き上げるとともに、ハイブリッドチャットとコールセンターを有機的に組み合わせ、有人コール対応に比べ約3倍の生産性を実現し、エンドユーザーの利便性向上と企業のコスト最適化を同時に実現する。

 トランスコスモスでは、コンタクトセンターのアウトソーシング業務の強化のために生成AIを積極的に活用しており、この技術の使用により、コミュニケーターから管理者へのエスカレーション対応時間を38%までに短縮することや、コミュニケーターの問い合わせ応対後の応対履歴作成時間を17%までに短縮することに成功していると説明。カスタマーサポート業務での生成AI活用の研究・検証から得た技術やノウハウを結集し、エンドユーザーの自己解決促進を目的に、生成AIチャットボットのT-GPTを開発し、ハイブリッドチャットサポートソリューションに搭載した。

生成AIチャットボット「T-GPT」を搭載したハイブリッドチャットイメージ

 これまでのチャットボットでは、シナリオ選択による操作負担や問い合わせ中の途中離脱が課題だったが、T-GPTを利用することで、自然文による質問に対してすぐに適切な回答を提示できるようになる。また、複数の業務ナレッジ(FAQなど)の確認が必要な問い合わせに対しても、T-GPTは複数の業務ナレッジを要約して回答できるため、エンドユーザーの解決時間短縮と満足度向上に貢献するという。

 運用面でも、従来のメンテナンスでは網羅的なチャットボット回答シナリオ整備が課題だったが、T-GPTは生成AI用の業務ナレッジ情報を更新するのみで最新の情報を元にした回答が可能となり、継続的なボット解決率向上と運用コスト削減が可能になると説明。また、これらの生成AIチャットボット機能は、シームレスに有人チャットに応対を引き継ぐことができ、企業はエンドユーザーの体験を阻害することなく、一貫したサポート体験を提供するとしている。

 トランスコスモスでは、日本国内でコールセンターなどの顧客接点チャネルを統合的にトランスコスモスにアウトソースしている計85社の企業からT-GPTの導入を順次拡大し、2025年度までにグローバルで300社への導入を目指す。また、今後も、生成AIを活用したコンタクトセンターの有人応対業務効率化機能や運用改善機能をTCI-DX for Supportに実装し、顧客企業にとって価値のあるソリューションへと強化を図っていくとしている。