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NTTデータユニバーシティ、受講者の質問をAIで回答するプログラミング学習支援ソリューション「UnivTutor」を提供

 株式会社NTTデータユニバーシティは15日、「2024年度NTTデータグループ会社向け新入社員研修(約1000人)」におけるJavaプログラミングの学習において、Microsoftの「Azure OpenAI Service」を活用して、受講者の質問を受け付け回答する自律的な学習支援ソリューション「UnivTutor」を4月に提供開始したと発表した。

 NTTデータユニバーシティでは、近年の新入社員研修においては、受講者のITスキルのレベル差が拡大し、質問の内容が多岐にわたるようになったと説明。従来は研修講師が受講者の対応を行っていたが、質問のボリュームが増加し、講師だけでは対処しきれないことが課題になっていたという。

 これに対して、Azure OpenAI Serviceの活用により、頻出の質問は受講者が自身で調べて確認することで、講師リソースの課題を解決するとともに、学習効率と学習効果の向上を実現する。

 Javaプログラミングの学習では、講師が講義を行った後に演習としてプログラミングを行うが、エラーが発生した場合、プログラミング初学者ではその原因や修正箇所がわからず、その解決のために何を質問すれば良いか、どうやって調べて良いのかも分からないといった状況が頻繁に発生するという。

 UnivTutorでは、プログラミング初学者であっても質問ができるように、よくある質問項目ごとに分類し、何をどのように聞けば良いかのテンプレートを作成してある。受講者はテンプレートの指示に従って項目を選択したり、コンパイルや実行エラーとなったソースコードを貼り付けることで、簡単に質問をできるようになる。

 受講者は自身が作成したプログラムのエラーの原因について解決できない場合、UnivTutorから質問項目を選択後、ソースコードやエラーメッセージなどを貼り付けて問い合わせを行う。

問い合わせ画面

 問い合わせを行うと、具体的な修正内容が回答され、受講者は回答内容を参考にソースコードを修正きるため、自律的に学習できる。

回答画面

 従来であれば、不明点が解決できない場合は講師に質問をしていたが、一度に多数の受講者の質問が重なってしまうと、質問対応の順番待ちが発生していた。UnivTutorを利用することで、同時に多数の質問が発生しても一度に回答できるため、無駄な空き時間が発生せず、効率的に学習できるようになる。

 受講者の質問とその回答は、UnivTutor内に記録されるため、その傾向を分析して今後のカリキュラム内容や教材の改善に役立てられる。

 システムはAzure OpenAI Serviceを利用しており、Azure上に利用会社ごとのセキュアな環境を用意する。これにより、受講者情報は安全に確保される。

 また、新入社員研修は毎年4月に実施する企業が多いため、講師の確保が課題となっていると説明。UnivTutorを利用することで、プログラミング初学者にもわかりやすい一定の品質を担保した説明を提供できるとしている。

 NTTデータユニバーシティでは今後、Javaプログラミング研修以外の研修においても、UnivTutorを活用していく予定としている。