ニュース

米Microsoft、国内のAIおよびクラウド基盤強化に約4400億円を投資 300万人を対象にリスキリングの機会を提供へ

 米Microsoft Corporationは10日、日本国内のAIおよびクラウド基盤強化のために、今後2年間で29億ドル(約4400億円)の投資を行うと発表した。国内への投資としては過去最大規模になるという。加えて、今後3年間で非正規雇用を含む300万人を対象にリスキリングの機会を提供し、日本社会におけるAI活用の底上げを図ることも表明した。

 Microsoftは今回の投資により、自社基盤の処理能力を向上させ、AIのワークロード高速化に不可欠な最先端のGPUを含む、より高度な計算資源を日本に提供するとのこと。これは、AIおよびクラウド基盤拡充のための投資コミットメントを実質的に倍増させるものであり、単独では最大規模とした。

 一方で、非正規雇用を含む300万人を対象としたリスキリングについては、今後3年間で、AIを構築したり、十分に活用したりするための機会を提供する。また、スキル習得を望む開発者や学生のみならず、あらゆる規模の企業や団体に属する人々を対象としており、Microsoftが提供するリスキリングプログラムや既存の研修プログラムを通じて実施するという。

 なおこの中では、Microsoftが提供する女性向けの「Code; Without Barriers」プログラムを日本で初めて実施するほか、国連訓練調査研究所(UNITAR)と協力し、AIやサイバーセキュリティなどを学ぶ研修コンテンツを広範に提供する。

 高度なAI技術者向けの育成支援では、開発者およびテクノロジー企業向けの研修プログラムの提供や、リファレンスアーキテクチャの拡充、Microsoftの生成AIである「GitHub Copilot」を通じた開発者支援を継続。「Microsoft for Startups Founders Hub」では、スタートアップ企業へリソースを提供するとともに、工業高校等においては、高度なプログラミング教育の支援を継続し、未来のAI人材の育成に引き続き注力する。

 このほか、Microsoftの研究部門であるMicrosoft Research Asiaでは、日本初となる研究拠点を新設し、さらに、サイバーセキュリティ分野において日本政府との連携を強化する。新設する研究拠点では、Embodied AIとロボティクス、Societal AIとウェルビーイング、さらに科学的探究を通じ、日本が直面する社会経済的課題の解決に寄与する分野にフォーカスするとしている。

 加えて、研究連携をさらに加速するため、今後5年間で東京大学に加え、慶應義塾大学とカーネギーメロン大学のAI研究パートナーシップに対し、それぞれ1000万ドル(約15億円)分のリソースを提供するとのこと。

 この発表に関して岸田首相は、「デジタル空間における経済活動が活発化する中、Microsoftのようなデジタルインフラを持つグローバル企業との連携は、日本産業全体にとって重要です。Microsoftによる日本への新規投資の表明に感謝いたします。Microsoftは、さまざまな取組を通じて、我が国における生成AIの社会実装に多大な貢献をしてきており、引き続きの協力に期待します。また、今後サイバーセキュリティ分野での連携も深めていきたいと考えています」とコメントしている。

Microsoft幹部などとの会談に臨む、内閣総理大臣の岸田文雄氏(写真中央、提供:Microsoft)