ニュース

日立、医薬向け製造・品質管理システム「HITPHAMS」のSaaS版を提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は28日、医薬品・医療機器製造業向け製造・品質管理システム「HITPHAMS」のサブスクリプション型サービス「SaaS版HITPHAMS」を提供開始した。

 HITPHAMSは、さまざまな形態の医薬品や医療機器の生産プロセスにおいて、GMP(Good Manufacturing Practice、医薬品の製造と品質管理に関する国際基準)で要求される製造指図管理や製造実績管理を中心に、厳格な製造管理・品質管理を実現する統合パッケージ。

 SaaS版HITPHAMSは、HITPHAMSの豊富な導入実績を生かし、顧客のニーズや最新の業界動向を踏まえた新機能を、タイムリーにクラウド上のアプリケーションに実装する。顧客は自身での操作なしに、それらの追加機能を標準機能として利用できる。

「SaaS版HITPHAMS」の概要

 システムの運用管理を日立が実施するため、顧客の負担を軽減するとともに、IT人材確保の課題解決を支援する。

 日立があらかじめ用意したCSV(Computerized System Validation、医薬品、医薬部外品、化粧品および医療機器の開発・製造に使用されるコンピューター化システム)文書を活用することで、オンプレミスのシステム構築時と比べてCSV対応するための作業の省力化が図れる。

 オンプレミス版で必要となる、顧客によるサーバーなどの機器の調達や、据え付け・動作検証が不要となり、スピーディかつ初期導入コストを抑えたシステム構築を実現する。

 システム体制面では、クラウド環境への通信経路やデータエリアを顧客ごとに分離することで、顧客間でのデータ侵害を防止する。また、クラウド上のサーバーはユーザー認証・セキュリティグループ設定といった数々の仕組みにより、外部からの侵入を保護している。さらに、サーバー構成の冗長化や他拠点への定期的なデータバックアップにより、万一の障害・災害発生時にも迅速な復旧が可能。日立のクラウドサービスの実績・ノウハウを生かし、運用を支援する。

 今後、日立ではSaaS版HITPHAMSを、DXを支援するLumadaソリューションの一つとして医薬品・医療機器製造業向けに広く展開するとともに、プロダクト、OT、IT を組み合わせた「トータルシームレスソリューション」で顧客の課題解決に貢献していくとしている。