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竹中工務店、アトムシステム、キッズウェイの3社、騒音・振動管理システム「DECIBERY」を共同開発

 株式会社竹中工務店、株式会社アトムシステム、株式会社キッズウェイの3社は14日、建設現場の騒音・振動をデジタル計測し、無線ネットワークを介してデータをクラウドに送信することで、リアルタイムに管理するシステム「DECIBERY」を共同開発し、5月にレンタルを開始すると発表した。

 従来の建設現場における騒音・振動の管理は、敷地境界部に設置したアナログ式の精密な騒音計や公害振動計により計測し、仮囲いなどに設置したモニターで計測値を表示することが一般的となっている。インターネット通信用のルーターなどにより通信機能を付加することで、遠隔地からの確認やデータの取得も可能となるが、通信環境の構築に費用がかかることから、利用は限られているという。

 3社が開発したDECIBERYは、新開発のデジタル騒音・振動計測センサーとIoT通信デバイスから構成されるリアルタイム管理システムで、建設現場に導入しやすいよう、アナログ式と同程度の精度を備えながら、安価なデジタルセンサー、多機能なIoT機器を活用し、通信機能を標準搭載している。

 騒音マイクおよび振動センサーで、騒音レベル(dB)・振動レベル(dB)を算定し、IoT通信デバイスにデータを送信する。IoT通信デバイスにデータを保存するとともに、LTE通信を介してインターネット上のクラウドにデータを送信する。クラウドで受信したデータをリアルタイムに、現場に設置したモニターや事務所内のPCなどに表示するとともに、設定値以上の騒音と振動を予測・検知した場合には、現場員や重機オペレーターにアラートを送信する。

 市販のIoT通信デバイスにより無線ネットワークを構築し、半径20mの通信圏内であれば最大8カ所まで同時計測が可能。新開発のデジタルセンサーは、従来のアナログ機器と同等の計測精度を確保する。

 クラウド上に保存されたデータの閲覧・保存、帳票の自動作成など、遠隔地でも管理業務の遂行が可能。騒音・振動レベルが超過する傾向を予測する機能を搭載。気象などの環境センサーやカメラなどの各種デバイスと組み合わせて、現場内の環境全般のモニタリングが可能。また、APIを介してデジタルサイネージ等の他システムとの連動にも対応する。

 システムは、竹中工務店とアトムシステムが共同開発したデジタルデバイスによる騒音・振動計測機構と、クラウド関連システムをベースに、キッズウェイが量産・在庫保有・レンタル展開を担うことで、建設現場へのスムーズな製品提供を可能としている。

 既に、竹中工務店施工中のプロジェクトにDECIBERYを導入し、現場職員がデータ回収に要する時間が不要となること、いつでも、どこでもインターネットで計測値の確認やデータ・帳票をダウンロードできることが確認できたという。

 3社では今後、レンタル会社や代理店を介して全国の建設会社への提供、普及拡大を図り、施工管理業務の効率化に貢献するとしている。