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南海電鉄、AI技術による踏切異常検知システムの導入試験 OKIと丸紅ネットワークがシステムを共同開発

 南海電気鉄道株式会社(以下、南海電鉄)は11日、AIによる踏切異常検知システムの導入試験を、大阪府堺市の中百舌鳥2号踏切で3月15日から実施すると発表した。踏切内の「人」を検知対象としており、沖電気工業株式会社(以下、OKI)と丸紅ネットワークソリューションズ株式会社(以下、丸紅ネットワーク)が共同開発したシステムを利用する。

 今回の導入試験の対象となる「踏切滞留AI検知システム」は、骨格検知技術やAIエッジ技術などを活用し、踏切に設置したカメラの映像を、その場にて高精度かつリアルタイムにAI画像処理することで、踏切遮断桿降下後に踏切内に滞留する人や自転車を検知するもの。

踏切遮断後、AIカメラで滞留している人を検知(監視カメライメージ)

 また現地の特殊信号発光機と連動させることで、滞留検知から指令所などへの発報、さらには、接近する列車の運転手に対する停止信号現示までをワンストップで実現し、踏切事故の未然防止を支援するとした。なお今回の実験では、人道踏切の監視用に既設されている監視カメラを用いるため、新規のカメラ設置は不要で、容易かつ安価なシステム導入を可能にしたとのこと。

踏切AIカメラ概要

 南海電鉄では、導入試験の結果を見て、2024年度以降の本格導入を目指すとしている。