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日立、データセンター利用者にカーボンニュートラルな電力を割り当てるメニューを提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は19日、顧客のシステムを預かる日立のデータセンター(以下、日立DC)でハウジングサービスを拡充し、カーボンニュートラル化した電力を割り当てる「再エネ電力提供オプションサービス」を提供開始した。

 日立では、地球温暖化の進行により気候変動が激化する中、企業においても、カーボンニュートラルの実現に向けてCO2排出量の削減を推進するなど、環境に配慮した経営が求められていると説明。また、データセンター事業者においてもカーボンニュートラルは重要な施策であり、日立DCでは、日立が提供するクラウドサービスにおいて、2022年8月から再エネ由来電力の割り当てを開始している。

 今回、こうした日立DCにおける取り組みをハウジングサービスにも適用し、顧客の環境経営を支援する。

サービスにおけるカーボンニュートラルの実現方法

 再エネ電力提供オプションサービスは、日立DCのハウジングサービスにおいて利用するIT機器や空調などの設備の消費電力に、日立が調達した再エネを割り当てる。具体的には、日立が日本卸電力取引所の再エネ価値取引市場において、再エネ発電所が発電した電力が持つ環境価値を非化石証書としてあらかじめ取得する。その環境価値を、日立DCのハウジングサービス利用時の消費電力に割り当てる。これにより、IT機器や空調設備などの稼働により消費される電力が実質的に再エネ化され、顧客のハウジングサービス利用におけるカーボンニュートラルを支援する。

 さらに、利用する電力が再エネ由来である事を、第三者が立証した証明書を発行する。この証明書は、顧客のITシステムに再エネを利用している根拠として、サステナビリティ報告などに活用可能で、顧客の環境への取り組みの見える化を支援する。これにより、環境経営と企業価値向上に貢献する。証明書付オプションサービスは4月1日から提供開始。

 サービスの価格は個別見積もり。

 日立では、2027年度までに横浜・岡山を拠点とした各データセンター、2030年度までに事業所(工場・オフィス)、2050年度までにバリューチェーン全体、それぞれにおいてCO2排出量を実質100%削減するカーボンニュートラル達成の目標を策定している。また、日立DCで提供するマネージドクラウドサービスである「エンタープライズクラウドサービス G2」においては、2023年度中に100%カーボンニュートラルを達成予定で、この取り組みが評価され、VMwareの環境イニシアチブ「VMware Zero Carbon Committed」の認定を取得している。

 再エネ創出の取り組みとしては、岡山DC敷地内の駐車場にソーラーパネルを設置するオンサイトPPAを導入し、2023年11月から発電を開始している。オンサイトPPAの評価や検証をした上で、太陽光発電によるさらなる再エネ発電に取り組んでいくとしている。

 日立は、今後もデータセンター事業における省エネルギー化の推進と再エネの活用に加え、追加性を有する再エネの調達など、持続可能な社会の実現に向けて貢献していくとしている。