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キヤノンITS、数理技術を用いたサプライチェーン計画ソリューション「SCPlanet」

PSIの状況を把握し、各拠点・各工程での生産と補充のタイミングを自動で決定

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は17日、基幹業務トータルソリューションの「AvantStage」のラインアップに、数理技術を用いたサプライチェーン計画ソリューション「SCPlanet」を提供開始すると発表した。価格は個別見積もり。

 SCPlanetは、これまでキヤノンITSが培ってきた計画系システム開発の経験/技術/ノウハウを共通フレームワークとしてSIコア化したプラットフォーム。フレームワーク構造を持った「生産計画」と「物流計画」のライブラリ群で構成されており、キヤノンITSが強みとする独自の数理技術を活用することによって、多段階/多拠点の生産/物流工程におけるPSI(生産:Production、販売計画:Sales、在庫:Inventory)の状況を把握し、自動的に各拠点・各工程での生産と補充のタイミングを決定できるという。

 また、「幹線輸送(1次輸送)」と「輸配送(2次輸送)」の2つの計画オプション機能を提供する。前者では、工場在庫を各マザー倉庫へ、あるいは物流センターから地域拠点倉庫へ、といった幹線輸送(1次輸送)において、輸送方法や輸送量の上限値を考慮したうえで、最適な輸送計画を立案可能。積載量/時間軸(輸送タイミング)/拠点軸(どの工場倉庫から運ぶか)の3つの基軸でシミュレーションを行い、物流コスト(輸送・在庫)の最適化を実現するという。

 一方、後者の輸配送(2次輸送)計画オプションでは、積載率、走行距離、所要時間などの各種評価指標を自動計算し、効率の良い輸配送計画を立案する。ベースとなる「配車SIコア」は、約30種の制約条件判定機能を搭載し、利用企業の実績データを元に輸配送の最適化シミュレーションを実施して構築する。また地図表示機能は、複数のルートを比較表示でき、配送順や届け先のまとまり度合いを見られるとのこと。

 なおキヤノンITSでは、例えば素材製造業で利用すると、需要予測に基づき、仕上から母材工程まで遡って生産計画を連鎖的に立案するほか、上下工程の計画連動と計画立案の自動化を実現すると説明。

 また化学製造業では、計画立案業務の標準化により、世代交代の容易にするとともに、それによる熟練者の高度な意思決定への業務シフトを実現。さらに、計画立案の手直し削減と、より長期的な視野での計画へとレベルアップできるとしている。