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IBM、データ集約およびAIの需要に対応するストレージ「IBM Storage Scale System 6000」を発表

 米IBMは現地時間10月31日、IBM Storage for Data and AIポートフォリオの最新製品となる「IBM Storage Scale System 6000」を発表した。

 IBM Storage Scale System 6000は、データ集約型ワークロードおよびAIワークロードの需要に対応できるように設計された、クラウドスケールのストレージアプライアンス。動画、画像、テキスト、計測データなど、日々生成される半構造化データおよび非構造化データの保存に最適化されており、ハイブリッド環境全体にまたがる組織のデジタルフットプリントを加速するとしている。

 2024年上半期に組み込まれる予定の、IBM FlashCore Modules(FCM)の追加により、データ効率および規模の経済性を向上。新しい最大容量NVMe FCMは、IBM Storage Scale System向けのIBMの従来の最大容量フラッシュドライブと比較して、1TBあたりのコストを70%、消費電力を53%削減するなど、優れた容量効率を実現する。これにより、クアッドレベルセル(QLC)のコスト優位性で、NVMeの性能をフル活用できる。

 強力なインラインハードウェアアクセラレーションによるデータ圧縮と暗号化により、マルチユーザー、マルチテナント環境でも顧客のデータを安全に保護。FCMを搭載したIBM Storage Scale System 6000は、前世代のシステムと比較して、同じ床面積で2.5倍のデータ容量をサポートする。

 また、IBM watsonxの活用により、AIワークロードの導入と運用を加速。IBM Storage Scale System 6000は、新しいNVMeoFターボティア、新しい並列マルチテナントデータ分離、およびIBMが特許を取得したコンピュテーショナルストレージドライブで構築されており、AIワークロードにさらなるパフォーマンス、セキュリティ、効率性を提供できるように設計されていると説明。

 IBM Storage Scale System 6000を駆動する、非構造化データ用のグローバルなデータプラットフォームであるStorage Scaleソフトウェアは、IBM Storage Tapeに加えて、AWSやAzure、IBM Cloud、その他のパブリック・クラウドを含むマルチベンダーストレージオプションのオープンエコシステムとデータを接続する。

 パフォーマンス面では、競合他社の2.5倍以上のスループットと2倍のIOPs性能により、さらに高速なデータへのアクセスを実現。複数のAIおよびデータ集約型ワークロードを同時に実行できる高い処理スループットとアクセス速度により、多様なユースケースに対応するとしている。

 また、IBM Storage Scale System 6000は、NVIDIA AIソリューションから他のAIワークロードへの情報サプライチェーンを、それらが配置されている場所を問わずに構築する能力を備える。IBMの新しいNVMeoFターボティアは、リモートデバイスから収集したような小さなファイルや、データレイクやレイクハウス分析のような小さなトランザクションへのアクセスを提供し、NVIDIAソリューションに統合できるように設計されている。