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石狩市とシスコなど4社、「SapporoIX PoC環境を使った企業誘致に関する協定」を締結

再エネ100%データセンターと地域経済活性化の取り組みを支援

 石狩市、合同会社石狩再エネデータセンター第1号(以下、ISRD)、シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)、ほくでん情報テクノロジー株式会社、株式会社ビットメディアの5者は10日、「SapporoIX PoC環境を使った企業誘致に関する協定」を締結したと発表した。

 同協定の締結により、石狩市と参加各社が、北海道石狩市の地産地消の再生可能エネルギー100%データセンター事業の運営および地域経済の活性化を目的とした取り組み、を相互に連携・協力し、推進していくとしている。

 SapporoIX PoCは、石狩市/ISRDのデータセンター利用検討企業に、マルチサイトデータセンター運用やハイブリッドクラウド運用の検証に必要な、ネットワークの相互接続環境や運用マネージメントモデルの検証環境を提供するとともに、再生可能エネルギーとデータセンターの需給連携モデルを提示し、企業誘致活動を行っている。

 SapporoIX PoCは、北海道ニュートピアデータセンター研究会のSapporoIX SIGで、地域IXのあり方やモデル像の検討を重ねた結果、地域データセンターへの企業誘致には、その有効性や実現性を検証する手段が必要と考え、シスコとほくでん情報テクノロジーがPoC環境を整備することを計画した。

 加えて、石狩市/ISRDの特徴である再生可能エネルギー環境を活用すべく、ビットメディアが参画して、同PoC環境にデータセンターとエネルギーの需給連動、デマンドレスポンス機能を開発提供していくこととした。

 協業により、シスコは、ほくでん情報テクノロジーが運営する札幌市内のデータセンター「H-IX」に、マルチサイト/マルチクラウドの運用に必要なSapporoIX PoC環境を構築し、Cisco Intersight/ACIを利用して、データセンターの見える化と最適化の機能を実装。ほくでん情報テクノロジーは必要なラック、リモートハンド、インターネットなどインフラ環境を提供し、事業を支援する。

 SapporoIX PoC環境を利用して、マルチサイトデータセンター運用、およびハイブリッドクラウド運用のフィジビリティスタディを行い、マルチサイトデータセンター運用モデル、ハイブリッドクラウド運用の最適化および仮想リソースの利用状況の把握と移行を支援する。

 ビットメディアが提供する再生エネルギー利用モデルとデマンドレスポンス機能を、SapporoIX PoCに実装し、企業の再エネ利用率の向上を実現する。

 ISRDは、石狩市で再エネ地産地消型のデータセンター事業を運営、企業の利用環境を提供し、グローバル市場での認知度向上に向けた取り組みを行う。

 石狩市は、各種誘致策の提供および事業支援を行い、事業全体構想と実現を推進し、市内経済の発展を推進する。

 SapporoIX PoCは、石狩市/ISRDの顧客のマルチサイトデータセンター運用、ハイブリッドクラウド運用、デマンドレスポンスに関する検証環境提供に加え、これらの運用に必要なネットワーク構成、IX接続環境、セキュリティ、可視化、モバイル/リモートなどの検証環境も提供していく。

 再生可能エネルギーの需給連動、デマンドレスポンス機能については、石狩市、北海道内に限らず、日本全国のデータセンターと連携し、排熱利用モデル、EV利用モデルなど、新しいデータセンターモデルの開発実証を行い、エネルギーの地産地消に向けたサステナブルな社会・地域づくりに貢献していくとしている。