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日立、基幹業務向けにOCIとAzureのマルチクラウド構成を日本オラクルと共同検証

この知見を生かしてクラウド環境への移行支援を強化

 株式会社日立製作所(以下、日立)は10日、日本オラクル株式会社と共同で実施した、基幹業務向けマルチクラウド構成の検証結果をもとに、クラウド環境への移行支援を強化すると発表した。

 日立と日本オラクルでは、今回、既存の基幹システムでOracle DatabaseとWindows系の業務システムを利用している企業などの移行先として、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)とMicrosoft Azureのマルチクラウド構成を安心して利用してもらえるよう、基幹業務を想定した処理性能や可用性の観点で検証を実施した。

 業務としては、受発注処理を行う在庫管理(ベンチマークツール)を想定。オンライン受発注取引システムと同様のトランザクションを1秒間に1000回以上ランダムに発生させるといった大量のトランザクション処理や、大規模夜間バッチといったワークロードについて、OCI単体と、OCIとAzureのマルチクラウドの両環境において、性能と可用性を比較している。

 その結果、大量トランザクション処理については、マルチクラウド環境においてもOCI単体の環境と遜色ない性能を確認した。一方の大規模夜間バッチ処理については、クラウド間をまたがる場合、ネットワークの遅延時間がシリアルに積み上がり、データ量が増加するほど処理性能への影響が出やすくなってしまうが、バッチ処理のデータ量に応じた適切なチューニング方法を確認できたという。

 また、求められる可用性や可視性のレベルに応じて、マルチクラウド構成の組み合わせを選択する必要があり、その選択の目安となる条件や観点を明確化できたとした。

 日立では、こうした検証から得られた知見を、業務基盤のモダナイズとデジタル活用による業務革新で課題解決に導く「クラウド&DXオファリング」に反映し、顧客の既存システムを最適なマルチクラウド環境へ移行するための支援を強化するとのこと。

 なお検証結果については、12月末までに「Qiita」にて公開する予定。さらに日立では今後、最新のOracle Database@Azureについても検証を行うとしている。