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パナソニック システムネットワークス開発研究所、6G時代の超高速通信に対応する大型電波暗室を備えた「測定・評価サービス」を提供

 株式会社パナソニック システムネットワークス開発研究所(以下、PSNRD)は27日、10月31日から神奈川県横浜市都筑区佐江戸町のパナソニック横浜地区構内に大型電波暗室を新設し、サブテラヘルツ帯である330GHzまでの超高周波に対応した、業界トップレベルの「測定・評価サービス」を開始すると発表した。6G開発に向けて、豊富な測定機器類を取りそろえた同サービスは、国内業界的にも先行的な取り組みと位置付けられるとしている。

 測定・評価サービスは、移動体通信の高速大容量化に伴い、5G・6Gにおける使用周波数帯の高周波化を見据えて必要な「大型電波暗室」や「各種測定機器」の利用に加え、PSNRDが発足以来35年間継続して培った「無線技術のサポートサービス」も備え、各事業者をはじめ、各メーカーなどさまざまな顧客に、ワンストップで利用・サポートサービスを提供する。6Gアンテナ、衛星通信、レーダーなどの各種機器の開発を電波特性のみならず、材料の電気特性なども計測でき、機器開発のスピードアップやコストダウンに貢献する。

 大型電波暗室(暗室外寸10.5×7.2×6.5m)は、無線性能を正確に把握するため、床面も電波吸収体で覆った6面電波暗室で、高周波・高利得・狭ビーム化に伴うアンテナの遠方界測定に対応し、最大7mのアンテナ間距離を確保。合わせて、測定高3mによるクワイエットゾーンの拡大、機器本体影響を含めた30kgの測定物まで2軸回転による全立体角測定が可能となる。

 ベクトル信号発生器、任意信号発生器、シグナルアナライザ、ネットワークアナライザ、および、周辺測定機器などの主要測定機器群を備え、5G向けOTA(Over The Air)測定、および、6G先行要素開発向けの100GHzを超える周波数帯の測定を実現。衛星通信、レーダーなどの開発にも活用できる。無線部やアンテナの設計に一般的に使われる各種シミュレーションにおいて、重要な材料の電気特性である比誘電率・誘電正接を測定する。

 PSNRD発足以来、35年間継続して培った無線技術に精通した技術者が、要望に添った測定・評価、シミュレーションの活用手法を提案する。また、測定・評価結果より課題が発生した場合は、開発委託業務に切り替えて、その課題解決に協力することも可能。顧客に寄り添い、ワンストップでの開発サポートに対応する。

電波暗室建屋
電波暗室内
大型電波暗室イメージ図