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NTTデータとSMBCCF、金融機関のローン業務デジタル化を支援する「ローンデジタルプラットフォーム」を提供

 株式会社NTTデータとSMBCコンシューマーファイナンス株式会社(以下SMBCCF)は23日、ローン業務全般のデジタル化を支援する「ローンデジタルプラットフォーム」のサービス提供を開始した。

 個人ローンの分野では、取り扱う商品の種類が多いこと、商品ごとに保証会社が異なるケースが多いことなどから、網羅的かつ抜本的な改善が進まず、金融機関および保証会社での手続きには、紙事務やFAXが多く残っている状況で、システムと紙事務の二重利用が続くことによる管理コストの肥大化や、事務オペレーションの複雑化が課題となっているという。

 NTTデータとSMBCCFは、これを業界全体の課題と捉え、網羅的かつ抜本的に解決するため、2021年より業務提携し、NTTデータの金融機関向けシステム構築・提供ノウハウ、SMBCCFのローン・保証ノウハウという両社の強みを取り入れた、サービスの構想策定を進めてきた。

 ローンデジタルプラットフォームは、金融機関で個人ローンを利用する顧客と、金融機関や保証会社に対し、個人ローンの申し込みから契約締結までに必要となる各種機能をSaaS型で提供する。サービスによる顧客の利便性向上および、ローン申し込みの成約率向上、事務コスト削減に寄与する。

サービスの全体イメージ

 個人ローンの申し込みから契約締結まで、全てWeb上で完結させる機能を提供するとともに、eKYCによる本人認証も標準搭載し、スマートフォン一台で顧客の申し込みが完結する仕組みを提供する。

 また、業界初となる、金融機関と複数保証会社間の自動保証審査依頼&自動リトライ機能により、ローン受付から複数保証会社への審査依頼の完全自動化を実現することで、FAXの送信および、FAXの受信内容のパンチング業務が不要となる。保証会社接続IFの統一化により、プラットフォーム接続済みの保証会社であれば、新規の回線敷設、IFレイアウトの変更なしで保証審査データの授受が可能となり、金融機関の新規商品リリース速度向上に貢献する。

 ユーザーインターフェイスについても、申し込み登録完了に至るまでの途中離脱を最小限に抑える施策として、SMBCCFのEFO(Entry Form Optimization)成果を反映。フォーム入力時の途中離脱を防ぎ、顧客獲得やCPA(顧客獲得単価)の低減を可能とする。

 顧客コンタクト支援では、顧客からの個人ローンの申し込みに伴い、Web上に開設する「マイページ」を通じて、顧客に対して入力不備や必要書類の再提出などの事務連絡が可能となる。これまで、顧客とのコミュニケーション手段は、電話・郵送・来店・FAXが主となっていたが、Webを活用することにより、物理的・時間的な制約から解放され、業務効率化につながり、顧客の利便性も向上する。また、NTTデータおよびSMBCCFは、「データ分析・販促改善」として、申し込みフォームの離脱ポイントなどの定量データや、増額可能顧客リストを提供することにより、継続的なUI/UX改善および、成約率向上に寄与するとしている。

 サービスは、株式会社愛媛銀行をファーストユーザーとして、株式会社三十三銀行への提供を2024年春に計画する。愛媛銀行は、サービス採用により、顧客に対して円滑なデジタルサービスを提供し、成約率の向上および事務経費・システムコストの削減を目指す。

 NTTデータでは、将来的には全国の金融機関および保証会社に広く利用される公共的なプラットフォームになることを目指し、5年で金融機関35社、保証会社10社の獲得に向けて営業活動を展開するとしている。