ニュース
日本IBM、AI活用でサプライチェーンの効率化を実現する「Supply Chain Ensemble」を提供
2025年9月10日 13:45
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は10日、企業のサプライチェーンを効率化し、生産性の飛躍的な向上を目指し、IBMのビジネスのためのAIであるwatsonxのAIテクノロジーを活用した「Supply Chain Ensemble」を発表した。
Supply Chain Ensembleは、複数の業務プロセスやシステムの情報をAIが統合し、予測、分析し、適切な対応を示唆するための基盤として開発、設計されたソリューション。サプライチェーンのデータをリアルタイムで分析し、在庫管理の最適化とリスク管理の強化を図ることで、企業のサプライチェーン管理に関わる販売・需要・生産・調達・物流の各責任者および担当者の迅速な意思決定を支援するソリューションとして、10月に国内企業向けに提供を開始する。
サプライヤーのリスク情報や地政学リスク情報などの外部情報を取り込んだ社外データと企業の自社オペレーションを融合するため、外的変化によるオペレーションへの影響をリアルタイムに分析できる。
AIを活用することで、部品や製品にかかる関税情報や、それに関連する需要や損益情報などを含む膨大なデータをほぼ瞬時に分析し、サプライチェーン管理者に今後起こり得るリスクに対する洞察を提供する。例えば、需要の変化による生産アロケーションや損益への影響などに関して、具体的な対応策をリアルタイムに提供できる。既にSupply Chain Ensembleを導入した企業では、サプライチェーンの管理者や担当者の業務効率を10〜20%程度向上したケースも確認されているという。
需要や供給の変動による将来の在庫の変化をAIが予測することで、適正在庫に必要な供給量を適時調整できる。過剰在庫も10〜15%程度の削減が見込めることが確認されたとしている。
Supply Chain Ensembleを導入することで、企業のサプライチェーン管理者や担当者は、リアルタイムな分析によってリスクや問題の予兆を捉え、提示された対策案をもとに迅速な意思決定を行えるようになる。これにより、企業はサプライチェーンの効率化と生産性の大幅な向上が期待できる。
日本IBMは、Supply Chain Ensembleの日本での提供開始とともに、導入企業の効果を最大化するために、活用方法のトレーニングやメンテナンスなどの支援を強化する。今後もAIをはじめとするテクノロジーを活用したソリューションの開発を進め、企業のデジタル変革を包括的に支援していくとしている。