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rinna、CTCとLLMサービス提供に関する協業を開始

 rinna株式会社は13日、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)と、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)サービス提供に関する協業を開始したと発表した。

 rinnaは、ChatGPTをはじめとしたLLM・生成AIの拡大により、さまざまな企業がLLMを自社システムやサービスに採用する動きが加速していることを受け、日本語に特化したLLMや生成AIの研究開発を行ってきたノウハウを生かし、LLMソリューション「Tamashiru Custom」の提供を8月に発表している。

 rinnaが法人や団体のLLM活用を推進するべく、Tamashiru Customをともに提案できる企業を模索する中で、CTCはかねてよりLLMソリューションの提供を行っており、さまざまな企業への提案を進めていく中で、日本語に特化したrinnaのLLMの性能や技術が顧客ニーズにマッチしたとして、今回の協定に合意したという。

 rinnaはCTCとの協定により、プロダクト販売にとどまらない技術提携やプロジェクト共同提案が可能になり、顧客のニーズに適合したLLMエコシステム(企業の生成AI活用に必要なソリューションやサービスを組み合わせて使用するプラットフォーム)の提供を実現するとしている。

 rinnaとCTCの顧客に対して、それぞれの技術を生かし協力することで、より良い生成AIの活用および、高付加価値のLLMエコシステムを提案・導入支援する。rinnaのLLMと、LLMシステムインテグレート実績のあるCTCが協力し、生成AIの導入を含むLLMエコシステムの導入支援、業務システムの設計やシステム構築を担う。rinna LLM単体の提供だけでなく、利用企業ごとのチューニングなど、モデルに要望を反映させられる。

 また、生成AIやLLMを利用するシステムは、一律に汎用的なモデルではなく、業界や業種によって異なるナレッジが集約されたモデルが必要となる。そこで、rinnaとCTCがこれまでに培ってきた生成AIの利活用経験を生かし、特定業種向けのソリューションも提供する。市場動向やニーズを踏まえた、導入のしやすいソリューションを両社協力して検討、立ち上げる。さまざまな業種がある中で、特に規制の厳しい社会インフラや金融業、カスタマーサービス業にも対応するとしている。

 生成AIがどのように使えるか分からない、使えるかの判断をするための検討を行いたいという企業向けには、両社の生成AIエンジニアがコンサルティングサービスを提供する。専門性の異なるrinnaとCTCのエンジニアが相互に連携し、LLMにとどまらず、生成AI領域を超えた範囲をカバーすることで、より顧客の期待に応えるエコシステムの提供を可能にする。

 両社は協定により、rinnaの熟練したLLM技術と、SIer大手のCTCの強い営業力のコラボレーションによる、商圏の拡大が期待できると説明。rinnaはAIの社会実装を目指し、CTCとの連携を通してたくさんの企業がAIとともにビジネスを推進できる世界の実現に向けて、技術を磨いていくとしている。

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