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NTT Com、東ロボなど4社、リアルタイム遠隔制御ロボットを活用したデータセンターの運用保守業務に関する実証実験を実施

NHNテコラスのデータセンター内IT機器を対象

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、東京ロボティクス株式会社(以下、東ロボ)、NHNテコラス株式会社、株式会社E-MARK株式会社の4社は26日、リアルタイム遠隔制御ロボット(以下、テレプレゼンスロボット)を活用した、データセンターのIT機器運用保守業務に関する実証実験を10月に開始すると発表した。

 データセンターにおける運用保守業務では、高品質な保守・点検作業と、故障が発生した際に迅速な復旧作業ができる体制構築が重要となる。一方で、急激な需要増加、運用保守業務に求められる専門知識の高度化に伴い、人材確保が困難な状況が課題となっている。

 そこで、NTT Comと東ロボは、エンジニアが遠隔からデータセンター内で保守運用作業を行えるテレプレゼンスロボットを開発した。テレプレゼンスロボットを活用することで、エンジニアが自宅やオフィスから遠隔地にあるデータセンター内での保守運用作業を行うことが可能となる。高度な専門知識を持ったエンジニアを働く場所、地域の制約なく採用することを可能とすることで、データセンターにおける高品質な運用保守の提供体制構築を目指す。

テレプレゼンスロボット、操作画面 イメージ
運用保守業務中のテレプレゼンスロボット イメージ

 実証ではNHNテコラスが商用環境として利用するデータセンターのIT機器を対象とし、運用保守業務におけるテレプレゼンスロボットの有効性を検証する。実施期間は、2023年10月~2024年3月予定。商用環境でIT機器を対象とし、テレプレゼンスロボットを活用した運用保守業務の実証実験を行うのは世界初の取り組みになるという。

 実施内容のうち、「故障・トラブル発生時の駆け付け」では、システムに故障・トラブルが発生した際に、従来の駆け付けに代わり、保守拠点からデータセンターへ配置したテレプレゼンスロボットにアクセスし、遠隔操作することにより一次切り分け業務を実施する。また、一次切り分け業務実施時の映像を録画データとしてクラウド上に保管する。

 「現地作業の事前事後確認」では、メンテナンス作業実施の前後で行っている確認作業を、テレプレゼンスロボットを用いて行う。「遠隔からのサポート作業」では、現地作業において、熟練作業者のサポートが急遽必要となった場合に、保守拠点の熟練作業者がテレプレゼンスロボット経由で現地とコミュニケーションを図り、対応の迅速化を実現する。「定期巡回」では、ロボットへの巡回予約設定により、早朝、夜間帯などに自動で監視対象の機器を確認する。

 NTT Comでは今後、NTTグループで提供するIOWN構想のオールフォトニクスネットワーク(APN)を活用し、より低遅延なネットワーク環境を生かした、遠隔からの操作性向上と機能の拡充を実現すると説明。また、実証の成果をもとに、テレプレゼンスロボットを活用したデータセンターの運用保守サービスの提供を目指すとしている。